はりねずみ通信

2016.03.11

Not on logic

西洋人は物事を論理的に考える。それに対し、日本人は論理的でない。そういうことは、ずいぶん昔から言われている。

たしかにそうかも、と思ったことがある。
一昨年、内視鏡外科で有名なモネ先生が日本で公演を行ったとき、こんなことを言われた。
「乳び胸が治らないのは、原因がわかっていないからだ。原因さえわかれば、たちどころに治るようになる」
特発性乳び胸は犬や猫でおこる難治性疾患である。胸管というリンパ管が破綻し、リンパ液が胸腔に貯まるのであるが、はっきりとした原因はわかっていない。

どうもリンパ管が弱い動物がいるようで、ある意味「体質的な」病気と考えられる。
私個人は、仮に原因がわかったからといって、治る病気ではないと思っていた。
モネ先生の話を聞いて、西洋人はロジカルに物事を考えるんだなあ、と思った。
物事には原因があり、結果がある。そう信じ込んでいるフシがある。

でも、なにかをするとき、人間はいつも論理的に考えて行っているだろうか。
人を好きになるのに、理由はいるのか。
こんな心理実験がある。
被験者に異性の写真を何枚か見せ、
「この中で一番好きな人を選んで」
という。そして、被験者が選んだのとは「別の」写真を見せ、
「今あなたが選んだのはこの人ですが・・」
と嘘をいう。そして「どうしてこの人を選んだんですか」と聞くと、ほとんど人が(自分で選んだ写真でないのに)「目が素敵だから」とか「着ている服のセンスがいいから」などと答えるのだそうだ。
つまり、その人が好きかどうか、単にあとづけで理由を言っているのである。

ということは、私たちが理屈で考えて決めている(と思い込んでいる)言動は、そうとう疑わしい。
よくわからないけど、そうしちゃった・・みたいなことを脳は嫌うようで、なんだかんだと理由をつけていくのである。

であれば、何かしようとするとき、決断が必要なときは、自分の感性に従ったほうがいい。理由(論理)はあとから自然についてくるから、である。

一番もったいないのは、後悔する、ということ。これは頭で考えているだけのことだから。

 

IMG_7931
りゅっくがすき

 

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