はりねずみ通信
2017.03.03
1ミリずつ進む
昨日までの2日間、腹腔鏡のトレーニングコースをサポートした。
トレーナーとしての問題点はさておき(教え方全般や、本当に私がふさわしいかなど)、参加された方がとても喜んでくださったことがうれしかった。
もともと、このようなコースは医師が講師をつとめる。今回もいつもお世話になっているH先生が指導された。それをサポートするのが私の役目だった。医師から獣医師への指導、という流れの中での橋渡し的な存在である。でも、こういった役割も、なかなかいいかもしれない、と思った。
わたしは、かつて医師から腹腔鏡を学んだとき、
「人の医療はすごいな。でも、あんなふうにできるとは思えない」
と考えていた。専門分野がはっきりしている、症例数が多く毎日のように手術している、情報量が違う、そもそも教育の基盤がちがう・・。人医療と獣医医療では違いが大きすぎる。
私は獣医医療の中で、やや前に進んでいるに過ぎないが、そういった存在があるために、参加する先生のモチベーションが上がるのではないか。同じ土俵の人がしていると、自分もできるという希望もわく。
実際、参加した先生方のスキルは非常に高く、私の初期のレベルをはるかに超えている。少しずつ進めば、必ずすごいレベルまで到達するだろう(参加した9人のうち5人は腹腔鏡折り鶴にチャレンジしている、というすごさ)。
人の医療のように、多くの腹腔鏡外科医(ラパロスコピスト)が、よりクオリティーの高い手術ができるために切磋琢磨する世界。そういう世界に獣医医療も進むことができれば、というのが私の夢である。
1ミリずつすすめば、必ず遠くまで行ける。
・・というわけで、地道なトレーニング、みんなで頑張りましょう!
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