はりねずみ通信
2017.02.28
香村工芸へ
東北大医学部で行われた腹腔鏡の研究会が終わった翌朝、私は仙台駅から東北本線で桑折駅へ向かった。
(「くわおり」と書いて、「こおり」と読む。読みにくい駅名ランキングの2位だそうだ)
生まれてはじめて、福島に来た。車窓から見える景色は、冬から目覚めるまえの柔らかい日差しが、家も木々もそっと覆っていて、しずかな佇まいだった。
佐藤さんが駅まで迎えに来てくれていた。
佐藤さんの家は、駅からすぐだった。小高い丘の上にあり、目の前に平野が広がっている。険しい山深く・・と勝手にイメージしていたので、ちょっと拍子抜けする。あの金剛水は、佐藤さんの家の裏から取水するのだそうだ。地球の奥深くから一度も循環されずに地上に出てくるといわれるマグマ水が、どうしてこんな場所から採れるのか。佐藤さんから出されたお茶と、ビールジョッキになみなみつがれた金剛水を飲みながら、私は驚くような話を聞いた。
佐藤さんのお母さんの香村さんは、霊感の強い巫女(みこ)のような方だったのだそうだ。
ある日、神様のお告げがあり、命じられた場所を掘ると水が噴き出した。それが金剛水だった。
地元の人が飲むうち、病気が治るようになることがわかり、人づてに多くの人がやってくるようになった。
やがて、全国からたくさんの人が訪れるようになる。
香村さんが、神様に導かれて書いたという巻物を見せてもらったり、家が火事になったとき奇跡的に焼け残ったコケシを見せてもらったりした(「香村工芸は、コケシ作りと水を販売する、世界で唯一の会社」とは、佐藤さんの談。うーん、それは絶対間違いない)。
佐藤さんの妹さんとそのご主人さんも、香村さんのいろいろなエピソードを聞かせて下さった。それが引き込まれるようにおもしろく、時間はあっという間に過ぎる。詳しいことは、機会があれば書きたい。
しばらくして、佐藤さんはこんなことを言う。
「先生、せっかくお越し下さったのだから、風呂に入っていきませんか?」
少し戸惑ったが(よその家で風呂に入るのは、何年ぶりか)、入ることにした。
佐藤さんの家の水は、飲み水もトイレの水も、全部金剛水である。もちろん、風呂も。
そのあと、また桑折駅まで送っていただいた。私にとって初めての福島であり、佐藤さんたちとは初対面である(佐藤さんとは電話で何回か話したことはあるが、ほとんどメール)。それなのに、はじめて会った気がしなかった。金剛水の地も、予想と違ったけれど、何か懐かしい感じがする。
もしかしたら、今回の訪問は予定調和的なできごとだったのかもしれない。
なぜなら、訪れるきっかけになった佐藤さんのメールには、こんなことが書かれていたからである。
『私の会社は、家族経営の小さな会社でありますが、おそらく世界で1つだけの天然水とこけしの製造・販売を許可されている会社です。それで、現在、かない先生への感謝の気持ちということで、、妹と協力して先生への「特別こけし」を製作しております。先生の部屋に飾っていただければ、幸いと思います。(来週中には、送ることができます。笑っていただけたらと思います )』
私はたいしたことはしていない。けれど、感謝の気持ちで、わたしにコケシを作ってくれたというのだ。佐藤さんたちに会いたいと思わずにはいられなかった。
3件のコメント
金井先生
いつもありがとうございます。
また、この度は御忙しい中をようこそお出でくださいました。
お会いできたのが奇跡なくらい凄く嬉しいです。
先生の温かで穏やかな人柄に私たちも初めてお会いした気がせず、楽しくお話させて頂きました。
電車までの短い時間で急かすようにお風呂に入って頂いたのが気になっていたのですが、良かったです。
みどりさん、かわいいこけしをありがとうございました。大切にします。
また行きたいと思います!
さっき、社長さんから電話があったよ。いや~、仙台くるなら言ってよね~。びっくりしたわ。金剛水の卒論、もうすぐ最終版ができるから送ります。病理・遺伝子解析の生データ見てね。ちなみに、社長さんが言ったかもだけど、ラベルもうちの学生(事業構想学部)のデザインなのよ。その学生さんの指導教員が京都出身の先生でね、言葉のおかげでうまくつながった感がある。すべてが不思議な縁。
ごめんごめん。どうしようかと思いつつ。。病理・遺伝子解析見てみるね。いま、その他のファクターが調べられないか考えてるので、また相談する。
今回はびっくりすることばっかりだった。
はじめまして!
私、みどりさんの友人でもありますが、昔から金剛水&機能水のイチファンでもあります。
この素晴らしい金剛水&機能水♪
私も微力ながら普及に努めておりますが、先生のお陰で広まりつつあること、ホントに嬉しく思います!!
このお水と先生は、皮膚病や様々な症例で悩んでいる人(ペット)達の救世主ですね!
金剛水&機能水で、沢山の人やペット達が健やかに暮らせるようにと切に願っております。
しみずさま、はじめまして。コメントありがとうございます。私ができることはわずかですが、よいものを多くの人に使っていただきたいので、できる限り協力したいと思っています。これからもよろしくお願いいたします。