はりねずみ通信

2016.07.12

梅雨の候

自宅の玄関を出た軒先に、アシナガバチが巣を作った。
だれかが刺されてもいけないので、巣を落とそうと思ったが、ぐずぐずしていた。
ハチが刺すのは、自分や仲間が危険になったときだけである。普通に接していたら、ひとに危害を加えることはないだろう。せっかく作った巣を壊すのは忍びない。獣医師なので殺生はいけないのではないか・・。
決行しない理由をいろいろ並べてみる。
もしかしたら、単に面倒なだけかもしれなかった。

ある日、ハチの死骸が地面に落ちていた。
見上げると、大きなスズメバチがアシナガバチの巣に止まっている。幼虫を補食しに来たようだった。
アシナガバチたちは、巣から20〜30センチ離れたところで、じっと動かないでいる。
この災難に、最初は抗(あらが)ったものの、もうあきらめたのだろう。スズメバチが去るのを、静かに待っているようだった。
ハチは、いろいろな行動が遺伝子の中にプログラミングされていて、それに従って行動しているだけなのかもしれない。
でも、そうやってじっと耐えている様子を見ると、不意の襲撃に対する動揺、自分も襲われるかもしれない恐怖、子を奪われる悲しみ、抵抗できないことへのあきらめ、など、さまざまな感情を読み取ってしまう。

翌日の朝、おそるおそる巣をみると、またアシナガバチたちが集まって、巣作りを続けていた。

決めた。もうそのままにしておこ。

IMG_8482
すずしげ

2件のコメント

  • 先生!
    いいお話ですね。
    生き物に対して
    そのような考え方・・嬉しくなりました。

    今日は有り難うございました。
    あんこ頑張ってダイエットします。

  • はりねずみを読むのも久しぶりで。
    1ヶ月半前に、ひょうそになり、麻酔なしで切ってもらって、2キロ以上痩せ、つい2週間前は、背中のあまりの痛さに吐き気で、救急車呼ぼうか、いや私は次回ハチにさされたら救急車よばないといけない抗体もち。片手で車運転し、日曜だったので調べて、なんとか病院へ。その間も、レックスをかない先生のとこへ。せっかくの予約、頑張ってつれていきました。
    我が家の主人は、私のそんな事をしったのは、先週でした。今頃かい(怒)

    • レックスさん、いろいろ大変だったんですね。
      今の季節は体調を壊しがちなので、どうかおだいじになさって下さいね。

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