はりねずみ通信

2016.07.13

話し上手

獣医師会の旅行で南紀白浜に行ったとき、道成寺に立ち寄った。
国宝の千手観音などがある宝仏殿を見学したあと、すぐ横にある縁起堂で「絵とき説法」を受けた。
お坊さんが「安珍と清姫」の物語を、絵入りの巻物を広げて説明して下さるのである。
(この安珍清姫伝説は、歌舞伎の題材にも取り入れられている。ちょっとコワイ話なのだ)
所要時間は40分ほど。お坊さんは、参拝者を相手に、毎日何回もその話をするのだそうだ。
笑いをとるところあり、迫真に迫る話しぶりのところあり。質問を投げかけ、聴く人にも考えさせたりと、あっという間の40分だった。毎日話しているから、これだけ板についているのであろう。

私は昔から人に話すのが苦手で、初対面のひとに何をどう話してよいのかわからなくなることが多かった。
ところが、この仕事をはじめたら、そういう苦手意識はほとんどなくなってしまった。
昨日も椎間板ヘルニアの説明をしながら、「うまいこというな」と自分に感心する。

椎間板ヘルニアは、突出するヘルニアの大きさと動物の症状が一致しないときがある。
小さなヘルニアでも、強い症状が出ることがあるのだ。
「ほら、ピストルの弾は小さくても威力があるでしょう。それと同じで、ヘルニアが飛び出す力によって、重症化することがあるんです」
飼い主さんは大きく頷いていた。

お坊さんの説法と同様、毎日話していると話し上手になるのである。

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やあ

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