はりねずみ通信
2015.03.31
春という季節
一昨日、外出して帰ってきたらツバメが滑空しているのを見かけた。同じ日に、ウグイスの鳴く声も。
動物が暦(こよみ)を間違わないのは、日照時間を基準にしているから、と動物学者の日高敏隆さんのエッセイで読んだ。
冬の終わりにも暖かい日はあるし、春に凍えるような寒さもある。
春になったと勘違いして冬眠から目覚めたり、鳥が渡りをはじめたらたいへんである。
地球上でもっとも「当てになる」もの、太古の昔から絶対的に変わらないもの。それは、地球の軸が作り出す日照時間なのである。
春を待つのは、生物にとって普遍的な行為に違いない。
食料の確保が難しい冬には、できるだけエネルギーを温存する。日照時間が長くなってくると、活動を開始する。餌を求めて動き出し、繁殖をする。
その際に、からだの中の自律神経やホルモンが急激に変化する。春先に、人間や動物の身体や精神に変調が見られるのは、そのためである。
楽しい春であるはずなのに、体調がすっきりしない、やる気が起きない、と思う人は実は多い。
動物病院でも、椎間板ヘルニアや自己免疫疾患を多く診察する。当院の入院室も、今ほとんどが埋まっている状態である。
からだは変化に対応しようとしているので、こういうときはゆっくりと構える方がよい。
無理をせずに過ごすのが一番である。
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