集合注射素描 | はりねずみ通信| 姫路の動物病院かない動物病院

昨日は市川町で狂犬病予防の集合注射があった。
「集合注射」という制度そのものが、だんだんと時代に合わなくなってきている。「動物病院が増え、接種がしやすくなった」、「屋外で多数の犬に接種すると、個々の動物の健康状態が把握しにくい」という理由から、廃止の方向へ進んでいる。

毎年この時期、５−６日ほど集合注射に出かけていたが、今年は1日だけ。
だから、昨日で今年の担当分がおわってしまった。

屋外ではなかなか動物がじっとしていてくれないので、注射が難しいことも多い。
私はできれば動物病院で接種してほしいと思っている。院内では、看護師がきちんと保定してくれるからである。
昨日も、彼ら・彼女らがちゃんと動物を持っていてくれるありがたみを改めて感じたのだった。

会場に行くと、「犬と向かい合わせになって、両手で首輪を持ってくださいね」と最初に言う。
理想的には、犬の頭が飼い主さんの足の間にあり、お尻がこちらを向いているのが打ちやすい。この体勢だと、お尻に接種してもいいし、首に打つこともできる。

ところが多くのひとが、指示に従ってくださらない。
みな、自分のパターンが決まっていて、片手で首輪を持ったり、引き綱だけを上に引っぱって「打ってください」という。
「犬におやつをやるので、その間に後ろから打ってください」
というリクエストも（ときどき）ある。

長年の経験で、いろいろ会話しながら、いい塩梅（？）に注射はする。
でも、ちょっと危ないと思うことも多い。

・・けれど、もう１0年すると、集合注射そのものがなくなってしまうかもしれない。
色々大変だと思ってきたが、なくなるのも寂しいような。

こういう公民館などの前が会場になる

軽トラでやってくる犬も

いつもは放し飼いだが、連れてくるのにあり合わせの針金とヒモで・・