はりねずみ通信
2015.03.24
見られること
大学の浪人時代、先に書いた中之島図書館で勉強した。予備校の自習室が午後6時に閉まるので、それから土佐堀川沿いを歩いて図書館に移動する。図書館は静かなので、集中できる。ところが、ときどき小声で話をする人がいたり、洟をすする音がしたりすると気になって、はかどらなかった。
わりにまわりが気になる性格なのだ。
いまは腹腔鏡手術などを、他の獣医師が見学できるように公開している。
本音を言うと、自分の性格上「合わない」行為である。
いわばまな板の上に乗るわけなので、逃げも隠れもできない。すべて見られるので、自分にとっては大きなプレッシャーになる。
ところが、続けていると、それが自分のためによいことがわかってきた。
俳優や女優さんは見られることで美しくなるというし、音楽や絵画などの芸術も人目にさらされることで洗練されてゆく。
そういう風に考えれば、人のためというより、自分のためである。
ただ、難しい手術のときには、ものすごいプレッシャーで、前日はかなりナーバスになる。けれど、そういう場面を乗り越えたときのメンタル面での達成感は大きく、自分の自信につながっている。
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