はりねずみ通信
2016.07.15
腹腔鏡下胆嚢摘出術
腹腔鏡手術は動物にとって、とてもよい治療であることを多くの方に知っていただきたいと思っている。
腹腔鏡を行っていない施設では、
「通常の手術と比べ、メリットがあると思えない」「手術の難易度が高い」
腹腔鏡を導入している施設でも、
「避妊手術や組織採取しか利用できない」「難しい手術は、やはり開腹術がよい」
獣医科大学で学ぶ学生の方は、
「大学では詳しく学ばない」「時間ばかりかかって、危険な手術である」
飼い主さんからは、
「そんな手術方法があることを知らなかった」「よくわからない」
・・という意見を聞く。
そこで、実際に行った手術の動画を載せ、イメージをつかんでいただくのがよいと考えた。
下に示すのは、先日から紹介している閉塞性黄疸のトイプードルの手術の動画である。
(手術画像なので、ご自身の責任でご覧下さい)
掲載する目的は、私は手術がうまいと宣伝する意味ではなく、「一定のトレーニングを積んできちんとした方法論で行うと、従来困難であると考えられていた手術も可能である」ということを伝えたいからである。
動物の腹腔鏡下胆嚢摘出術は、腹腔鏡をふだんから行っている施設でも難易度が高いと考えられる。
特に小型犬であったり、癒着や炎症の強いケースでは、
「はじめから開腹術を選択したほうがいいのでは?」
という意見もあるだろう。
でも、小さい動物であるからこそ、多くの利点がある。
・体腔の奥にある胆嚢管や総胆管が、明瞭に観察できる
・すべてを可視化して行うので、術者だけでなく、助手や手術スタッフにも情報が提供できる
・胆管洗浄や造影が的確にできる
・より繊細な手術が可能になる
もちろん、デメリットもある。
・出血がコントロールしにくい
・長い鉗子を用いて行うので、手技が制限される
・複数の人員が必要
・器具機材が高価
・難しい
でも、デメリットは努力して克服できる。
それによって動物たちが得られる利益を考えると、勇気を持って進んでいきたいと思うのである。
だいすきなカゴに入って退院。たくさんの人がお守りをくれたそうである。
1件のコメント
おはようございます
今朝お薬ご飯と一緒にちゃんと飲みました
昨日帰宅すると先住犬のチワワのお姉ちゃんが近づくと威嚇し決して寄せ付けませんでした
20日間の寂しくつらい日日のせいなんでしょうか
今朝もご飯食べた後は寝床で横になって寝てばかりです
小さなアンにとって本当に大変なことだったんやと可哀想で
とにかく暫くはゆっくり身体をやすめてあげたいです
早くやんちゃなアンに戻りますように祈るばかりです
先生、スタッフの皆様には言葉に尽くせない感謝の気持ちで一杯です
これからも何かとご相談申し上げることも多々あると思いますが宜しくお願いします
アンママさん、アンちゃんはがんばりましたね。
本当の体調が戻るまでは、少し時間がかかるかもしれませんが、大丈夫ですよ。