はりねずみ通信
2015.01.20
脊髄造影検査
椎間板ヘルニアの診断は、MRIが一番いいと言われている。
骨の中にある神経の状態や、椎間板の突出の程度などをもっとも詳しく描出するからである。国内にMRI検査ができる施設が増えたため、椎間板ヘルニアの最終診断にMRIが利用されることが増えた。
MRI以外では椎間板ヘルニアの診断ができないのか?
そんなことはなく、その他の検査としてはCT検査、脊髄造影検査がある。
CTと脊髄造影検査の診断精度は95%ほど、と言われている。MRIは診断精度が100%ということになっているので、
「やっぱりMRIがいいのでは?」
と思うかもしれない。
当院にはMRIの機械がないので、他の施設で検査してもらっている。数年前まで、椎間板ヘルニアの診断のためには、かならずMRI検査をしていた。その上で、手術前に脊髄造影を行ってから手術をしていたので、MRIと脊髄造影の「違い」についてはよく理解しているつもりである。
結論から言うと、椎間板ヘルニアの診断に関して言えば、MRIと脊髄造影ではほとんど差がない、ということである。
当院では、脊髄造影をCアーム透視下で行っている。腰椎から頸椎まで、きちんと造影剤が満たされた状態で撮影ができるため、ほとんど数分以内に脊髄すべての診断が正確にできる。
それに比べ、MRIでは(機種にもよるが)脊髄すべてを評価するのに数時間もかかってしまう。そのため、病変部をかなり絞り込んで撮像しないと、麻酔時間がとても長くなってしまうのである(動物のMRI・CT・脊髄造影には麻酔が必要なのだ)。
・・どうも私は脊髄造影の肩を持ちすぎるかもしれない。いろいろ書くと、長くなってしまう。
もちろん今でもMRI検査はする。でも、「椎間板ヘルニア以外の病気を診断するため」という位置づけなのだ。
MRI検査が普及したため、脊髄造影のできる獣医師が減ってたことが、とても残念である。動物の負担を減らすため、マスターすべき技術であると思っている。
先日書いたガクちゃん。
満面の笑みを浮かべていると思いませんか!
3件のコメント
先生、おはようございます。
この間は私の疑問に答えていただきありがとうございました。
スウィートは膝蓋骨脱臼の手術をした時に、ピンが残ったままなので、MRIが出来ないから、もし、椎間板ヘルニアになった時の確定診断ってどうなるのかなぁって思ってたんです。
私の中ではタイムリーな内容で勉強になりました。
まこさん、ピンは抜くこともできますし、MRI検査はピンが入っていても可能なことが多いので心配ないですよ。
先生、
こんにちは。私はMRIと脊椎造影検査との違いがよくわからなかったので
すが、脊椎造影検査で椎間板ヘルニアの検査ができるんですね。。MRIでないと診断出来ないんだと思っていました。先生の所に行けばMRIをわざわざ撮りにいかなくてもいいんでしょうか。すぐ、検査して治療してもらえたら飼い主さんも動物もとてもたすかります。
手術したらたいていの動物は歩けるようになるんですか?。
まきあさん、通常脊髄造影検査は「手術の前に行う検査」という位置づけです。ただ調べるためだけに脊髄造影をすることはあまりありません。MRI検査が有効な病気も多いので、一番いい方法を提示するようにしています。急性のハンセン1型ヘルニアは、手術すれば95%以上は歩けるようになりますよ。
こんにちは。
ガクちゃんお利口さんですね~カワイイ(*^ー^*)
周りの方たちは更に満面の笑みではないでしょうか。
きのうの診察の時にSumakoさんのカードを頂きました♪
とってもステキですね~☆
そして注射のおかげで気になる症状も治まりまして
元気復活w思ったよりも調子が悪かったのね(‘◇’);
ありがとうございました。
Fさん、よくなってよかったです。Sumakoさんのカード、いいでしょう!
この写真には入っていませんが、まわりの人も皆笑顔で写っていましたよ。