はりねずみ通信
2018.07.17
聞くこと
動物病院で獣医師として働くとき、最も重要な気質はなにか。
それは、聞くことができること、と思う。
飼い主さんは、多くの不安をもって動物病院を訪れる。
動物が何か重大な病気を持っていないか、それが治るものなのか。
疾患の原因は何か。
家で注意すべきことは。
何を食べさせればいいか・・。
そういった不安を、診察のあいだにすべて解消できるように、といつも願っている。
なかには不安が漠然としていて、飼い主さん自身もよくわからないこともある。
そのとき、ひとつひとつの話をじっくり聞くことにより、混乱している気持ちを整えることができる。
ところが、実際の診療では時間の制約があるので、「いかに合理的に診断・治療を進めるか」というプレッシャーにさらされる。
動物の診察は、おそらく人間の小児科以上に時間がかかる。
病気がいつ始まったか、何が一番の問題か、どれくらいの重症度があるのか。そんな基本的なことさえ、導くまでがたいへんである。
へたをすると、お腹が痛いのか、背中が痛いのかすらわからない。
動物が言葉を話さないことや、病気が重くても元気そうに振る舞うことなどがネックになっているのだろう。
私はいつも日常の診察を終えて一日を振り返るとき、
「今日は、飼い主さんの話をちゃんと聞けたかなあ」
と思う。
たくさん質問されたことの中で、自分が重要でないと思ったことは軽く説明するだけで終わったのではないか。
飼い主さんが、病気の動物を懸命に介護していて、ふと漏らした弱音を聞き逃したのではないか。
聞くことが大事と言うけれど、それがほんとうに難しい。
3件のコメント
先生はいつも私たちの話をよく聞いてくださっています。
緊張してしまって、うまく言いたいことが伝えられなかったり、どう伝えればよいかわからないことも多いですが、辛抱強く聞いてくださってるなあ、といつも感謝です。
メールで質問できるのもありがたいです、急を要していない場合などは、お聞きしたいことを何度も読み直して修正してからメールするようにしています。
またお休みの日や早朝(笑)も、お返事いただいて・・・
本当にいつもありがとうございます!
usagi158さん、どちらかというとあまりちゃんと答えられていない感があり、申し訳なく思っています(T-T)
でも、なんでも相談してくださいね!
こんばんはm(__)m
いつも、しょーもない質問も、しやすい雰囲気で接して下さるので、安心しています。ただ、私自身が忘れやすいお年頃になってるので、ふうちゃんがうちの子になってから、気になる事は全部(体温、処方された薬、体調)といっても悪い時だけですが、データに残してます(^^)聞かれても答えれるようにです。
聞くという事は、喋るより難しいですが、じっくりと聞いて下さる先生は信頼感MAX!ですよ(^^)
ふうさん、記録を残しておくことは大切ですね。いろいろなときに助かります(^^)
なにげない心配事も、なんでも相談いただければと思います。
おはようございます!先生のおかげで手術も無事におわり25日に9歳のお誕生日を迎える事が出来ました。本当に有難うございます。
手術の当日、不安な私がしたいくつかの質問にも丁寧に答えて頂き安心して預ける事ができました。迎えに行った時もこれから気を付けて過ごす事など同じ質問もしても嫌な顔1つせずに答えて頂き、ここで手術をしてもらい本当に良い先生に巡り会う事が出来たと思っています。先生はちゃんと飼い主に寄り添い耳を傾けてくださっていますよ!
タロウさん、ありがとうございます。タロウ君はよくがんばりましたね。
私も出会いに感謝しています。これからも、何でも聞いてくださいね(^^)