はりねずみ通信

2015.11.20

最終決定

動物に手術を受けさせなくてはならない。それがはっきりしたとき、誰もが不安になる。
麻酔は大丈夫だろうか。手術のリスクや後遺症は。入院でストレスがかからないだろうか・・。
私たちは、それらについて、できるだけ不安をなくすようにひとつひとつ話をしていく。
もちろんリスクがある手術もある。でも、イチかバチか、というようなリスクもあるし、車を運転するときに事故に遭う確率、くらいのリスクもある。
手術を行わない場合のリスクも考えなければならない。
そのままにしていると、生命に関わる場合や、病状が進行して取り返しがつかなくなることもある。
通常は、いろいろな情報を提供し、手術するリスクと手術しないリスク、予算などを話し、飼い主さんが十分納得した上で手術するかを最終決定していただく。

ところが、そうやって十分話し合った結果決めたのにかかわらず、
「先生、やっぱり手術やめました」
と連絡をいただくことがある。
家族が反対したから、友人に相談したら反対された、ネットで同じ病気のことを調べていたら「しないほうがいい」と書かれていた、などの理由が多い。
ご家族の代表の方が来院され、家に帰って家族に説明した場合、うまく伝わらないこともある。その場合は、ご家族で来院していただき、もう一度説明する。
リスクひとつについても、話し方のニュアンスで変わってくるので、手術を担当する獣医師がご家族に直接話したほうがいい。

一方、友人の意見やネットの情報により決定するのは、やや危険がある。
その友人が動物の病状を詳しく知っていて、同じ病気の手術を経験された方であればいいかもしれないが、多くの場合、
「動物にかわいそうなことをするのはやめたほうがいい」
というような、白か黒か、というような話になってしまう。
ネットの情報も同様である。病気の体験談はあふれているが、自分の動物と同じケースはひとつとしてない。よく聞くと、全くちがう病気の情報を見て判断されている方もおられる。

それには、私たち医療側の責任もある。なんでも話しやすい雰囲気がないと、なかなか突っ込んで話ができず、つい周りの人やネットに意見を求めてしまうのは無理がないだろう。

ひとつだけ言えるのは、病気のことはとても「個別」なことであるので、手術を担当する獣医師とご家族が納得いくまで話し合うのがベストである、ということである。
もし迷いが生じたら、他の施設でセカンドオピニオンをとるのが理想であろう。

 

IMG_7418
こたついぬ

6件のコメント

  • 昨日 予約なしで レーザーに行ったので 違う先生と少し相談しました。 今年の初めに がくとニニィの歯石とりを 予約していましたが がくの足の調子が悪くてキャンセルしました。
    気になっていたので 昨日 診て頂いたら 前歯が 少し揺れているみたいです。
    ニニィの方は 今まで 一度も取った事がないので 見ただけで結構付いています。 ニニィは この間手術したし がくは 13歳ですしどうしょうか迷っています。 月曜に 予約しているので 相談しようと思って帰ってきました。
    心配で最終決定ができません(-_-)

    • がくさん、歯石のことは相談して決めましょうね。麻酔などはあまり心配することはないと思いますよ。

  • 23日に手術してもらうって言うとまわりはローズ10年やで大丈夫?てんかんやし。でもかない先生に見つけてもらった病気やし。不安だらけですがお願いします。ここ二日はてんかんが出てしんどいみたいですがローズも頑張ってくれると思うしよろしくお願いいたします。

    • 三木さま、今日はローズちゃんの手術日ですね。病気はきちんと治さなければならないので、いろいろ不安かと思いますがお任せ下さい。

  • もどかしいですね。

    『目の前の命を助けたい!』っていう、先生の気持ちがビシバシ出てて 何だか朝から感動しました。

    P.S.
    我が家も こたついぬ状態です。
    可愛い(*^^*)

    • ルンルンさん、やっぱりこの記事には、そういう気持ちが出てしまっていますか^_^;
      押しつけることがないように、きちんと病状を伝えたいと思っています。
      コタツの季節ですね!

  • 飼い主からするとよく聞く手術でも麻酔をかけるのでやはり心配になります。
    でも、金井先生は経験豊富だし大丈夫ですよ。
    の言葉で安心していました。
    私も、三頭の犬がそれぞれ病気を持っているのでインターネットを毎日毎日観て気持ちが揺らいでいました。
    ハランは手術していただいたので治る病気ですが、お兄ちゃん犬ともあは治る病気ではないので、どうしてあげたらいいかわからなくなっていました。
    うるさいおばさんと思われるかも知れないですが納得いくまで説明を聞いて、またこちらが気がつかなかったら先生の方からこうしてはどうですか?と、治療法を言ってくださいね。

    ハラン昨日から、4本足で歩いています。急いでいるときは、3本足になっていますが速いです(((^^;)
    散歩に行けないから庭に出してあげると喜んでいます。
    今週は、主人が東京出張だったので、犬達が遊び相手がいない月曜日に手術してもらいました。
    ハラン今日まで安静に出来たけど帰って来ると喜んでテンション上がるから気をつけます。
    私も一週間休養できました(笑)
    こんな事言ったら駄目ですね。私や犬達の為に働いてくれているのに(((^^;)
    犬達に掛かる毎月の費用の事も一度も言ったり、聞くこともないのに…お父さんすません。
    手術してもらいました。

    • もあの母さん、一般的に麻酔は発作を抑える方向へ作用しますので、発作があっても麻酔は可能なことが多いです。
      また相談して決めましょうね。
      いろいろな治療に関して、不安に思われることも多いと思いますが、なんでも聞いて下さいね。

  • なんだか最後わからない文章になっていますね。
    すみませんです。手術してもらいました。は、
    いらない文です。
    スマホでしているので字が小さいのと、どこかタッチしてしまいます。

    忘れてたのですが、もあも歯石除去一度したはうがいいと思っているのですが、発作のある犬でも大丈夫ですか?

  • 私は、優柔不断な性格なので人の意見にウロウロすることも多々ありますが、
    ハナコがお世話になり始めたときは、ハナコにとって3人目の獣医さんがかない先生でした。
    先生に関して、なんの情報も聞いていませんでしたが。。。良い先生がいらっしゃるよ!って紹介してもらってお世話になりました。
    お世辞ではなく先生を一目見た時から、この先生に出会えって良かったと感じました。
    なので、動物医療に関して何も知らない私にとって先生のお言葉ひとつひとつが納得のいくものでした。
    最終判断という言葉が重く響いてきますが、少なくとも優柔不断な私に言えることは、ネットや友達の経験談を鵜呑みにするより、先生のおっしゃるように心配ならセカンドオピニオンという手段が何よりよいかと思います。

    私は先日の夢の中で、実生活でずっと調子の悪い左ひじをかない動物病院に行って注射してもらってました(笑)
    その「かない動物病院」は、表玄関に「人間も診察します」って書いてあったんです!
    いつかそうなってほしいいと思ってから、そんな夢みたのかな?(笑)

    • Hanakoさん、その夢はすごいですね!
      でも、生涯動物だけを診ることにしていますので、お力になれません(^^)肘がよくなるといいですね。

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