はりねずみ通信
2015.03.02
教えること
私はひとに何かを教えるのがヘタだと思っている。もうすこし、丁寧に教えることができたら、学ぶ人も効率よく学べるだろう。
そう思っていたが、「手取り足取り教えるのが、必ずしもいいとは限らない」と言う人の話を新聞で読み、ちょっと考えを見直した。
その人は宮大工の職人である。
まず若い人に教えるのは、食事作りや掃除だそうだ。とりあえず何か食べるものを作らせると、おいしいものはできない。でも、皆が食べておいしいと言われるのが嬉しいので、だんだんとよくなっていく。掃除もしかり。この時点では何も教えない。
つぎに、刃研ぎを教える。自分が研いだ刃でカンナをかけさせると、まるで切れない。
隣では、先輩がスイスイとカンナをかけている。そういう状態をしばらく放っておくのだそうだ。数ヶ月経ってから、師匠が頃合いを見て声をかける。
「おい、オレのカンナを使ってみるか」
その時貸すのは、師匠の最高のカンナである。
弟子が木にカンナを当てると、面白いほど切れる。うれしさのあまり、一本の木を板になるほど削るのだそうだ。そのあと、その人がどう成長するかは、だれの目にも明らかであろう。
つまり、学ぶ前の段階として「あこがれ」がある。そして、「禁欲期間」があり、つぎに「機会を与えられた喜び」がある。
学習にはそれが必要なのだ。
だから、教える立場のものは、あこがれをもたれるような腕がなければならない。
それから、安易に教えてはならない。
そして、非常に厳選してチャンスを与えなければならない。
学ぶための動機付けや環境作りなど、教える側には全体を俯瞰する視野が必要だろう。目の前にあることを手取り足取り教えることが教育と思うなかれ。
なにか目からウロコが落ちたような気がした。
2件のコメント
生徒の立場で、「なるほどな。」です。
犬にも、同じ事が言えませんか?
教える前の、期待感(犬)達成した時の喜び(犬)(^^)
なんでも、動物、動物じゃ、行けませんね。。
3月10日に予約入れました。初診のかたの予約も取らせて頂きました。
宜しくお願い致します!
きなこさん、動物も同じだと思います(^^)日々の生活で達成感があるようにしてやると、生きる意欲がわきます。牧羊犬などは、仕事しているから生き生きしてるんですね。
こないだフロントラインの事を質問したのですがその後、新しいノミ、マダニ
駆除薬が発売されたみたいなので今日の診察でその事もお聞きしたいと思います。
商品名はネクスガードです。
詳細を読むと癲癇の犬は注意が必要と書いていました。
宜しくお願いします。
もあの母さん、ネクスガードはノミ・マダニの薬ですが、さらにあたらしい薬としてフィラリア・ノミ・マダニ・消化管寄生虫を1粒の薬で予防するものが発売されました。
今度お話しします。てんかんをもっていても大丈夫です。