はりねずみ通信

2016.11.17

折り鶴昨今

先日ある研究会に参加して、内視鏡外科に取り組んでいるさまざまな施設の獣医師と話をすると、折り鶴でトレーニングをする獣医師が爆発的に増えていることが判明した。

ある勤務医の先生は、最初の1羽を折るのに2時間かかった、とのこと。その後練習を続け、今では30分を切るようになったそうである。ふーん、と聞き流してはいけない。
忙しい日常診療の中で、2時間を7.5センチ四方の折り紙と格闘するのだ。
「こんなことして、なんの役に立つの?」
という思いが、何度も頭をよぎったはず。そして、自分には才能がないからやーめた、と言ってもよかった。手も肩も、痛くなっただろう。

他の施設の獣医師も、なにげなく「10分切りました」と言っていた。さらっとおっしゃっていたが、10分を切るには相当な練習が必要なのである(少なくとも私の場合は)。もしかすると、すごい才能があるのかも。

大学で教鞭をとられているK先生も、学生と一緒に折り鶴を折っているとのこと。
あまり練習をしているふうでもないのに、学生さんが日に日に上達しているので訊いてみたところ、どうも家でも練習しているみたい・・。
「コソ練は禁止だ!」
とお達しを出したそうである。家に帰ってまでやるのは、上達し、内視鏡外科をマスターしたい、という思いが一番だが、単におもしろい、ということもあるようだ。
K先生の研究室で、神チャレの上位を独占する、というミッションを立てているとのことである。

私は、というと、ここ2−3ヵ月ほどスランプで、自分の記録に届かない状態が続いていた。「やればやるほど下手になる」という状況は、物事を習得する際、ときおり訪れる。
でも、ここ1週間ほどで、やっと抜けられそうである。

獣医医療でも腹腔鏡折り鶴トレーニングが戦国時代に突入しつつある。
負けないようにがんばろ。

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くび

 

 

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