はりねずみ通信

2016.03.30

手術上達のコツ

昨日書いた胸腔鏡手術の名医、森川先生のお話で印象に残ったことがもう一つある。
さらっと話されたので、もしかしたら心に残った人は少なかったかもしれないが、私には響いた。

手術のスピードは、早いほうがよい。
どうやったら早くなるか。組織をつかもうと、鉗子を伸ばすがつかみ損ねる。もう一度把持しようとする・・。そういった小さなミス(ミスと呼べるかどうかもわからないが)を徹底的に排除することである。
そうすれば、手術は早くなる。そして、早くなるだけでなく、正確になるのだ。

よく、早く行おうとして手を早く動かす人がいる。そうして「小さなミス」を繰り返す。それでは手術は上達しない。ゆっくり動いても、一発で手技を完成する。その積み重ねが、早く安全な手術を可能にする。

私は、神チャレ(腹腔鏡で折り鶴を折る企画)がこの鍛錬にピッタリだと思った。
折り鶴を鉗子で折るとき、薄い紙をつかむのは難しい。最初は何回もつかみなおすことになる。そうすると、タイムがどんどん伸びてしまう。このトレーニングは、必ずタイムを計る。早く折るには、やり直しを減らさなければならないのである。

折り鶴の数が増えてくると(私は、たぶんもう500羽くらい)、タイムは速くなるが、それ以上スピードアップするには徹底的にミスを排除する必要がある。1羽折るすべての行程で、一度もミスをしないのは極めて困難だが、神経を最大限に集中させることによってできるようになっていく。

これを毎日行っていくと、本番の手術の時(内視鏡外科以外の手術でも)ここぞ、という場面で高度に集中することができるようになる。

手術がうまくなりたい人、特に若い人にオススメしたい。成果は保証します。

 

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くうくう

 

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