はりねずみ通信
2016.10.14
感覚の変化
最近、スーパーでイチジクが売られていると、つい買ってしまう。
あの微妙な酸味と甘みは、なんともいえない。
いまではそうなのだが、子どもの頃はイチジクの味などわからなかった。通学路の途中にイチジクの木があり、季節になると実が付いていたが、穫った(盗った?)ことはなかった。あんな果実をたべるひとの気が知れない。そんなふうに思っていた。
味覚も、音楽の嗜好も、歳と共に変化してゆく。
あのイチローだって、「最近は和食が好きになった」と言っている。イチローは歳ととに変化していく自分の体に合わせ、バッティングフォームを毎年変化させているという。「体に聞く」という態度は、学びたい。
世間ではアンチエージングが流行していて、若さに対して特別な価値があるように強調される。
けれど年々歳を取っていくのは事実であるし、身体に変化があるのはあたりまえである。むしろ、脳がいつまでも若いままのイメージを持ち続け、身体感覚と乖離するほうが心配。
イチジクやプロコフィエフが好きになることも、おもしろいことだ。
もっと進めば、いまは見向きもしないことに夢中になるかもしれない。そう考えると、歳を取ることも悪くないと思う。
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