はりねずみ通信

2016.05.26

心の壁

昨日は大学同級生のAの動物病院に行き、PLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)を行ってきた。多発性椎間板ヘルニアのミニチュア・シュナウザーだった。

Aの動物病院は、Cアームもレーザー発生装置もある設備の整った施設である。
私は以前からPLDDはとてもいい治療法なので、是非取り入れてほしいと言ってきた。
ところが、Aから返ってくるのは、いつも生(なま)返事である。
「うーん、そういうケースがあまりないからなあ」
とか、
「Cアームが手術台にぶつかって、うちではうまくできないんだよ」
という。

実際Aの手術室に入り、器具機材のセッティングを行ってみると、ごく普通に行えそうである。
手術台の高さや、Cアームの位置を調整すれば、まったく問題ない。
彼は、「なんとなくややこしい」と漠然と考えていて、投げていたようである。

まあ、私自身も最初はいろいろ苦労したので、気持ちはわかる。
でも、感じたことは、こうである。
ものごとの最初は、とっつきにくかったり、面倒くさかったりする。できてみればなんということもない障壁であるが、行う前はとてつもない高い壁に思える。
そこを、勇気を持ってジャンプするか。
それが分かれ目なのだろう。

こんな治療ができたら、どんなにいいだろう。
海外の情報や、人の医療をみてそう思ったとする(わたしはよくそう思う)。
「でも、設備もないし」「自分にできそうもない・・」つい、そう考えてしまう。行う前に、自分であきらめをつけてしまうのだ。でも、よく考えてみれば、同じ人間が行っていることだ。自分にできないはずはない。

動物医療を進めるには、獣医師に勇気を与える必要がある(もちろん、自分自身を鼓舞する必要も)。
私がそういうことに少しでも役立てれば、ひいては病気の動物や飼い主さんのためにもなるだろう。
そういうことを考えながら、帰路についた。
家に帰ったら深夜1時半・・。姫路ではじめて終電に乗った。

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あしのおきば

3件のコメント

  • おはようございます。毎日お疲れ様です。多分野における先生のブログで、新発見や学ばせて頂いたり、改めて考え方、思い方の大事さを痛感しています。金井動物病院に出会えて本当に感謝です。

  • 先生の前向きな考え方、想い、やる気、勇気、努力などいつも
    凄い強い精神力のもった獣医師さんだなぁと、色々感深い物を
    与えてくれます。
    若い獣医師さんに技術だけではなく、ステップする勇気、飼い主の気持ちなど
    伝えて行ってください。

    昨日のレシピやお勧めのレシピも教えてくださいね。
    主婦の私が男性のお医者さんに教えてくださいとは、なんだかはずかしい
    ですね(-_-)/~~~

  • 案ずるより生むが安しですね。ちょっと違うか。
    自分で自分の可能性を潰してしまわないように、チャレンジ精神を持ち続けたいですね。

    • まこさん、人間は言い訳を考えるのが上手なので困ってしまいますね。自分で壁を作らないようにしたいですね。

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