はりねずみ通信
2017.04.18
役割
4月から動物看護師の有元が仲間に加わった。
専門学校の学生の時、実習にも来ていたが、とてもおとなしい性格だったので正直「大丈夫かな」と思っていた。
当院に就職が決まったのち、冬休みと春休みにアルバイトに来てもらっていたが、やはり同じ感じ。
なんでもまじめに取り組んでいたが、いつも静かである。
アルバイトの間は、黄色の専門学校の制服を着ていたが、4月1日から、当院のユニフォームであるピンクのナースウエアに替わった。
そうしてほかの看護師と並んでいると、学生の時よりなんだかしっかりして見える。
私は最初、それは制服のためだと思っていた。
ところが、彼女の動きを遠目に観察していると(私はスタッフの動きをよく観察する。管理者の目、というより、動物観察に近い)、明らかに何かが違うのである。
もちろん、まだできることはとても少ないが、自分の与えられた仕事に対するエネルギーのようなものが、3月31日までとはまるで異なるのだ。
彼女に直接訊いたわけではないが、おそらく自分に与えられた動物看護師という役割が、彼女の内面をがらりと変えてしまったのではないか。アルバイトではなく、当院に帰属するということ。仲間になった、という意識。それが変化の原因ではないか、と推察した。
人間は役割によって変化する。
子供が生まれたとたん、親の顔になる。学級委員になったとたん、しっかりする。プロジェクトを任されたと同時に、リーダー然となる・・。
有元はこれからどんなふうに変化するかわからないが、成長を見守りたい。
それにしても、人間って不思議な生き物だなあ。
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