はりねずみ通信
2016.04.04
小鳥指
大人はなにかと忙しい。
今日はこんな予定があり、○○と連絡を取らなければならない。調べなければならないことがあったり、人と会って話をしたり・・。すると、一日が終わって、身体感覚として残るものが少ない。
あれ、今日はなにをしたっけ・・。
それに比べ、子供がすることは少ない。目の前にあることに集中して毎日を過ごす。
私の場合は、子ども時代を小鳥と一緒に過ごした。
そのため、手のひらや肩にとまっている鳥の感覚が、今でも残っている。ただ鳥と過ごす無為な時間が多かったので、五感に刻まれているのだと思う。
大人になってから、そういった身体性を獲得するのはどうも難しいようで、スタッフに鳥の扱いを説明してもなかなか伝わらない。
いまから考えると、もっともか弱い小鳥に触れて育ってきたことが、私の財産であると思う。
獣医でありながら、成人するまでは犬も猫も飼ったことがなかった。それがなんとなく負い目になっていたこともあったが、そうではなかった。「小鳥指」を持っていることが、多くの動物を扱うときに効いている、と今では感じることが多い。
動物たちは、触れる直前の感覚でさえ、敏感だからである。
そういうことを考えると、今の子どもたちが忙しいのがちょっと気になる。
テレビや携帯など、さまざまな刺激にさらされて、じっと何かを眺めたり、目の前にことに我を忘れて夢中になる機会が奪われていないだろうか。
・・まあ、それは大人もおなじこと。
電話かけながら携帯をいじったり、人と話をしながら他のことを考えたりせず、目の前のことに五感を研ぎ澄ませて接したい。
1件のコメント
先生、こんばんは。
「小鳥指」ですか・・先生の手の感性が凄いですね。。
飼い主は、とっても、心強いです。。
今日は、ありがとうございました。
あんこが、もうすぐ3才です。顎に白髪が出てきました。。
ワンコ達って、あっという間に子供から大人になって・・・歳を取る。仔犬だった子がいつの間にか
自分の年齢を超えて・老いていく。
自然の摂理とはいえ、切なく哀しくなります。
一日でも元気でベストな状態で長生きして
くれるのが、私の一番の願いです。。
私の宝物なのです(^^)
25日に、手術の予約をいれました。
宜しくお願い致します。
きなこさん、動物たちは人間より加齢のスピードが速いですから、1日が1週間の重みです。そのぶん、一緒に過ごせる時間を大切にしたいですね!