はりねずみ通信
2015.11.24
専門化
今日の記事も、昨日の続きになるのかもしれない。
医療には専門化がつきものである。専門化の弊害が取りざたされることも多いが、なぜ専門化に向かうのだろうか。
まず、専門化のいいところを考えてみる。
ひとつの分野に詳しくなることで、より深い診断や治療ができる。
その分野の勉強に、多くの時間を割くことができる。
では、悪いところは?
専門以外のことは知識が薄くなる。
身体を全体としてとらえず、パーツとして考える傾向が強くなり、他の疾患を見逃す。
このように、いい点もあるが、悪い点もある。特に一番最後の、「木を見て森を見ず」という思考パターンは、最悪の弊害、と言っていい。
その弊害を知りつつ、それでも専門化に向かおうとする欲求が、医療従事者にはある。
それは、治らなかったり、わからない病気を診たくない、という気持ちである。
得意分野に絞れば、治せる病気は増える。その部分に関しては詳しいので、胸を張って治療ができる。やはりきちんとした成果を出したいと思うのが、人の心である。
専門分野から少しずれたら、他の人に診てもらえばよい。
「それは私の専門ではないので」
と言えばいいのだ。
そのため、近年では動物病院でもさまざまな専門施設が増えている。
私も、得意な分野を伸ばしていきたいと思っている者のひとりである。
けれど、そう思いつつも、すべての病気を診る、という街の開業獣医師のスタイルを保ちたいと思う。専門化に向かいたいという欲求にあらがいながら、日々の難しい問題(ほんとうに、いろいろとあるんです!)といつも向き合って進みたいと思う。
1件のコメント
色々ありますね。
『専門ではないので…』………
って、真面目に取り組むほど 魅力的な言葉かもしれないですね。
陰ながら、応援してますp(^-^)q
P.S.
すやすや。
癒されますー( 〃▽〃)
ルンルンさん、ありがとうございます(^^)
この猫はフクというのですが、いつも気持ちよさそうにねるのです。