はりねずみ通信

2017.05.31

学習効果

駅やデパートなどの公共施設で、案内表示やアナウンスが非常に多いのは日本の特徴かもしれない。
多くの外国人は、その「にぎやかさ」にまずびっくりするはず。

駅のホームや車内では、相当な量の注意事項がアナウンスされる。
「電車とホームの隙間に注意してください」
「この電車は、駅到着後すぐに発車しますので、あらかじめご用意ください」
「車内美化にご協力ください」

先日驚いたのは、京都駅のエスカレーターの手すりに、これでもかというほど注意事項の文字が書き込まれていたこと。
(なかには「ようこそ京都へ」というのもあったが)あらゆる場所に念仏を書き込むと魔除けになるとか・・(耳なし芳一)。

そういうのを「うるさい」というと、批判されるかもしれないので、こういったアナウンスや表示が本当に効果があるのか、という観点から考えてみた。

大学で教鞭を執っている獣医師のK先生が、興味深い話をしてくださった。
学生に超音波検査を教えるときのこと。
最初は講義で各臓器の当て方を事前に細かく伝えていたが、実習に入って講義の通りにできる人は4分の1ほどだったそうである。
それでやり方を変え、基本的なことのみ伝え、各臓器を描出するヒントだけ与えるようにしたところ、どんどん上達していったそうだ。
つまり、学習にはトライ・アンド・エラーが必要で、みずからが主体的に取り組むことで成長が促されるのである。

だから、アナウンスや表示などで一方的に情報を与えることは、思ったほどの効果はないように思える。
(もちろん、駅でトライ・アンド・エラーを試すわけにはいかないので、基本的なマナーの習得や情報収集は別のところで)
うがった見方をすると、施設側があとで文句が言われないようにしているだけじゃないかと。「ちゃんと言いましたからね」・・。

公共の場所は、目にも耳にも静かであってほしい(あ、「うるさい」と同義?)。

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あしおおきいね

 

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