はりねずみ通信
2015.06.12
子どもたちに伝えたいこと
今日で3週間にわたったトライやるウィークの予定がすべて終わる。
いろいろ大変な面はあったが、私なりに得るものも多かった。
昨日中学生と話をしていて感じたのは、彼らがとても忙しい、ということである。
学校では宿題が必ずあり、週に3回は塾に行く。部活動もなかなかハードなようだ。
「昼間、眠くならないの?」
「実は危ないときがありますが、必死で耐えてます。あ、塾だと絶対寝れない。塾の先生は竹刀を持って回ってくるから!」
それじゃ、テレビを見る時間もないね。そう言うと、
「そうなんです。だから最近の流行やニュースがわからなくて。でも、時事問題は試験に出るので、塾の先生が最近のニュースをまとめて、配ってくれるんです」
「・・・」
彼らにとって、インターネットが身近にあることもわかった。
もはや辞書は引かないのだそうだ。
「調べ物はネットで検索します。英語の単語も、知らない言葉も」
私が大学時代は、まだインターネットが普及していなかった。それを彼らに言うと、「信じられない」という表情をする。
なんとなく自分がものすごく年寄りに思えてくる。車がない時代は、馬車だった、みたいな。
「このまま時代が進んでいくと、どうなってしまうんでしょうね。宇宙人と会話できるようになる、とか」
なんだが中学生と話しているのかどうかわからなくなってしまう。彼らは、私たちが中学生だった頃と比べ、ずっと大人びている。
ただ、時代が変わっても子供の心がそんなに変わるわけではない。
動物のことを話すと、目を輝かせて聞いている。
私が伝えたいことは、こんなことである。
何もかも効率が求められる時代だけど、単純に目標を決めてそれに向かってまっしぐらに行くのがいいとは限らない。
夢を持つのは大事だけど、いろいろなことに関心を持ってほしい。
私が大人になってから気がついたのは、嫌々勉強してきたものの中にも、大切なものはたくさんあった、ということである。
微分積分をもっと詳しく勉強していたなら、宇宙に関する本を読んだとき、もっと理解できただろう、とか、
せっかく学校の先生が古典を教えてくれたのに、「試験さえ通ればいい」というような勉強しかしなかった、とか、
ギリシャ史を知っていたら、美術館で絵を見るときも、もっと深く理解できるのに、とか。
大人になると、すべて自分の価値観で決定しなければならなくなる。
その時には、学んできたものをフル活用して、ものごとに対処しなければならない。これから君たちは、日本人だけでなくさまざま国のひとと接するだろう。その時に、いま学んでいることが思わぬ形で役立つ時が来る。
試験の合格や、進路のためだけではなく、関心があることはどんどん吸収していってほしい。
そんなことを、今日の最後に話したいと思う。
1件のコメント
先生、スタッフの皆様。3週間お疲れ様でした・・・
最近の中学生、辞書を引かないのですね!?
私達の頃は、分からない単語はひたすら辞書を調べてそこに赤のボールペンで線を引いて一度調べた単語は印しておいたりして覚えました。。。よね?
と、言いながら最近の私も何か分からないことがあれば携帯で調べることが出来るので便利な時代になったと痛感してます。
主人は何か知りたいことがあると私の携帯のことを“秘書”と呼んでいて
「ちょっと秘書に聞いてくれるぅ~?」とか言ってますね。
気がつけば、自分自身も時代の流れに流されてました(笑)
今の子供たちはパソコンが使えて当たり前のようになってきているようですが、それはそれで良しとして先生や私達世代がやってきた“古き良き時代”のやり方も身につけてほしいなぁと、ふと思いました。
って言ったら時代遅れ?(笑)
Hanakoさん、ぼくもそう思います。ローテクには生き残ってほしいです(^^)
ネットがなければ何もできない、という状況を避けなければ、サバイバルできませんもんね!