はりねずみ通信
2016.04.01
周りの人が幸せであること
人間は不思議な生き物である。
他の動物と大きく違うところは、「競争が好き」であること。人よりも優れていたい、お金持ちでありたい、尊敬されたい・・。何かと比較して優位になりたいという欲求が強い。
犬や猫にも縄張り意識があり、リーダーになるものもいるが、人間のような上昇意識はない。特に猫は「何かを達成して喜ぶ」というような感覚はゼロに等しく、もっとがんばれ、と声をかけても、「?」という顔をする。
(ある研究では、ほとんどのほ乳類は労働を喜ぶ。ネズミでさえ。ゲームをして対価を与えると、さらにがんばろうとするのだそうだ。唯一猫だけが、そういう感覚を持ち合わせない、とのこと)
チンパンジーなどは、自分がおいしいものを食べているとき、隣でもっとおいしいものを食べていると、自分のごちそうを放り出し、ヤキモチを焼く。これはとても人間に似ている。
人間の不思議な点のもうひとつは、そうやって競争が好きなくせに、周りの人が幸せであることも望む、ということ。自分だけが楽しく過ごしていても、まわりがそうでないと、心から幸福になれない。
多くの億万長者が、必ずしも幸せでないのは、そのためである。
この競争好きと周りの幸せを求める独特の生き物は、どこに着地すればいいのか。
答えは、バランスをとる、ということである。
自分の幸せと、他者の幸せをなんとか両立させる。
それこそが人生の目的であるような気がするが、これほど難しいことってほかにあるだろうか。
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