はりねずみ通信
2016.09.15
医療の方向
現代の医療機器は高性能であるが、大型であったり、非常に高価である。
高機能なので、使いこなすこともたいへん。また、壊れたときは修理費用がばかにならない。
不具合があってメーカーに問い合わせると、目眩(めまい)がするような修理費を請求される。
それに対し、リバース・イノベーション、という考え方があるらしい。
「新興国で生まれた技術革新を、先進国へ逆輸入することで世界に普及させる」
という理論である。
いま進められているのが、「持ち運べる手術室」というコンセプトの内視鏡手術機器。
既存のコンパクトビデオカメラに内視鏡と電気メス、腹腔内に手動でガスを送る小型装置、バッテリー式のLED光源を組み合わせたものだ。実現すれば、医療費の低減や、多くの施設への普及が期待される。
こういうイノベーションのあり方は、たいへん興味深い。
いわゆる逆転の発想、である。
私は、獣医医療から医学へ、同じようなイノベーションが可能ではないか、と思っている。
先日、あるメーカーに、動物用の腹腔鏡練習器具の作成を依頼した。すると、偶然同時期に小児外科の医師から同じような製品作成の問い合わせがあった、とのこと。
小児の体格はさまざまなので、動物医療と同じような苦労があるのだと推察する。
おこがましい、とも言えるが、いままで医学から受けてきた恩を返すチャンス、と考えている。
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