はりねずみ通信
2017.09.04
動物との別れについて
病気やけが、事故などで動物たちと別れなければならないときが必ず来る。
人間の「別れ」と少し違うところは、それが来る時期が早いこと、そして突然やってくることである。
もちろん、人間の場合も突然予想しないかたちで命が失われることもある。でも、概して動物の命は脆い(もろい)。それは、日々の診療で感じることだ。
ある意味、それは仕方のないことである。
人間の寿命は、犬や猫に比べ5−6倍長い。人間の1日は、彼らの1週間分に相当するので、彼らの命は猛スピードで過ぎているから。
そのギャップが、動物たちとの別れを受け入れ難いものにしている。
たった数日前まで、腕の中にいた温かな生命が、唐突に失われる。多くの飼い主さんが、そのことを受け入れられずに、長い期間悲しむことを見てきた。
最近も、事故で犬を亡くしたTさんから手紙をいただいた。
それを読むと、あまりにも悲痛で、いたたまれなくなる。
どう言葉をかけていいのか、まったくわからない。
長いあいだ彼らの生死を見てきて、私が言えることは、
「人間から見た彼らの姿でなく、彼らから見た人間の姿を想像してほしい」
ということである。
人間の目線でいえば、1日は24時間で、過去や未来も想像できる(長い時空をイメージできるのは、人間独自の能力だと思う)。
でも、動物たちは、1日は1週間分。過去も未来も想像できない。
その視点でみると、1日1日が彼らにとってすべてなので、「あんなことをしたかった」という後悔もないし、「15歳まで生きたかった」というような失望もないはずである。
彼らの心は想像するしかないが、一緒に過ごして楽しかった、うれしい日だった。そう思っているはず。
亡くなった彼らは、人間がそんなに悲しむのは想像していないと思う。楽しかった日を思い出してほしいと願うのではないだろうか。
だから、動物を亡くしたことを、悲しまないで。
生きている彼らの1日を大切にして。
それが、獣医師である私が、動物と共に過ごす人に伝えたいことである。
5件のコメント
おはようございます。先生ありがとうございます。先生の気持ちよく伝わります。今の切ない気持ちを先生にぶつけてしまい、すみません。
長く一緒にいると、犬っていうより我家の次男坊になってしまってたので(してしまってたんでしょうね)だから、人間の感覚で考えてしまって。いろんな生活のシーンにあの子がいないのが、考えられなくて、辛いのです……
いつまでも先生に頼ってすみません。お体ご自愛いただき、先生を必要とされてる方々のために頑張ってくださいね。
早く時間が経って楽しい思い出として語れるようになったら、またはりねずみ通信にお邪魔しますね。
くうちゃんママさん、理屈ではわかっていても受け入れられない気持ちもよくわかります。本当に辛いと思います。
ちょっと読んでいただきたい本があるので、今日送りますね。
またどんなことでも手紙やメールなどで連絡いただければと思います。
(涙)(涙)
先生には甘えてばかりで本当にすみません。本を送ってくださるのですね。ありがとうございます。
また急に連絡させていただくかもしれませんが、よろしくお願いしますm(__)m
くうちゃんママさん、いつでも連絡くださいね(^^)
先生、こんばんは!
「動物との別れてについて」この記事を見て
3年前にきなこを亡くした日の記事を思い出しました。
「この世界の同じ空間と時間を共有出来た事を
喜ぶのが彼らへの最高の弔いになる」
この言葉が、どれだけ励みになったか・・。
思いっきりペットロスになりましたが、
この言葉に救われました。。
私も、ブログを通し、ペットロスになっている方に先生のお言葉をお借りしてお伝えしております。。
少しでも、心が落ち着かれる事を願って・・。
きなこさん。ありがとうございます。そうですね。きっとくうちゃんも私達がここまで悲しんでるとは思ってないだろうし、母さんもう泣かないでって言ってくれると思います。
いろんな方にいろんなお話聞いてると、同じ思いをされて、皆さんそれを乗り越えておられるんだと力になります。きなこさんありがとうございます。しっかりその思い胸に刻んで笑顔で日々過ごして行きます!
ライの時も、天の時も、先生やスタッフの皆さまには本当にお世話になりました。
目一杯の事をして頂いて、最高の最期を迎えられたはずなのに、頭ではわかっているのに、心がついていきませんでした。
何度見送ってもたぶん同じなのでしょうね。。
だけど、見送られる事だけはさせられないから、見送る時にできるだけ後悔の少ないよう、楽しかった思い出をたくさん思い出せるよう、この時この瞬間を大切に愛おしく丁寧に過ごしていきたいです。
いつも本当にありがとうございます(*^^*)
コバシさま、頭では理解できても、受け入れられないことはありますよね。
時間がかかることもあります。
私は動物たちがそれほど愛されていたのだといつも思い、思いながらも飼い主さんにかける言葉がなかなか見つからずにいます。