はりねずみ通信
2015.09.05
動物が飼えなくなるとき
Aさんは高齢で体調も不安定なため、施設に入る入ることになり、飼っている犬をどうしたらいいか、相談の電話があった。犬は15歳のミニチュア・ピンシャーである。
いまから譲渡先が見つかるだろうか。
実は、こういった相談はかなり多い。
飼い主さんが健康な場合は特に問題とならないことが、急に現実のこととして浮上してくる。動物が生きていくためには、飼い主さんが元気であることが大前提なのだ。それを改めて気付かされる。
飼い主さんの多くは、準備が不足していることが多い。もう少し早い段階で相談してもらえれば、と思う。
また、社会にそういうシステムが備わっていない点も、今後考えていかなければならないだろう。
一方、動物を亡くした方が、
「自分はもう歳だから、先のことを考えると、もう動物は飼えない」
と言われることも多い。動物のことにきちんと向き合っていて、その責任を知っている方ほどそう思われるようだ。
でも、私はそれを聞くと、とても寂しい気持ちになる。
ずっとおつき合いしてきたのに、もう会うこともない。それだけでなく、動物と一緒に楽しそうに過ごされていたのに、これからは動物のいない生活になる。それを想像すると、辛くなる。
むしろ、高齢者の方こそ、動物と一緒に過ごすべきであろう。
そう思うが、
「あとのことは何とかなりますから、心配せずに動物を飼って下さい」
と、胸を張って言えない現状がある。
いまは、個人的に譲渡先を探すなど、地道な取り組みをするしかないが、ひとつの提案として、高齢の動物を飼ってもいい、という方の待機リストができればと思う。
寿命が15年以上ある子犬は飼えないが、余命4-5年以内の動物なら飼える。そういう方は、是非教えてほしい。
この考えを少し発展させ、そういう仕組みが機能するのであれば、年配の方でも安心して動物を飼える社会になるのではないか。
動物の健康に関しては、私たちがサポートできる。ボランティアや、何らかの基金は必要になるが・・書いているうちに可能な気がしてきた!
6件のコメント
いつも通信読ませていただいております。
イヌの仲立ちをするボランティアグループは一杯あります。
うちも私が72歳のときこの子で最後と思っていたヨーキーが16歳で
虹の橋を渡ってしまいひどく落ち込みました。たくさんの残して
行った物を誰か使ってもらえないかと探しているうちにそういう
団体に行き当たりました。荷物を持って行ってみました、そして
そこで10歳のヨーキーに会いました。ひどいブリーダーにいた
なんとも頼りなげな子を見たとき(他にも一杯元気な若い子も居ました。)この子は私が何とかしないとと思ってしまい、娘に後見人を頼んで引き受けることが出来ました。最後の子が引き合わせてくれたと思いました。
ひどい環境での生活でもう飛んだり走ったりは無理といわれましたが今では
家族の宝物で走り回っています。こんな団体は各地にいっぱいありますよ。
森本様、コメントありがとうございました。ほんとうにすばらしい出会いですね!とても運命的なものを感じます。
各地には、いろいろな団体があり、このようなよい巡り合わせを生み出している事もよく知っています。ただ、譲渡先が見つからない場合はどうするか、預かっている高齢の動物が病気になったときは?、また、いつもいい巡り合わせがあるとは限らず、マッチングをどうするか、は難しい問題です。実際の運営はとてもたいへんであると、感じている団体は多いと思います。
よい話を教えてくださり、ありがとうございました(^^)
身につまされる様なお話ですね。。
動物にとって飼い主が「唯一の存在」だから・・。
でも、何がおこりうるか分からないのが、現実ですね。
うちの両親の60年程前の白黒写真の真ん中に大きな犬が
ポーズを決めて写っています。子供が生まれる前から
動物がいたそうです。
その両親が60才になったら、犬は飼わないと言っていました。動物に対する責任があるからね、と言っています。。
なにか、お手伝い出来る事があったら、
教えて下さい。。喜んで参加させて頂きます。
本当に・・切なくなってしまうお話です。。
きなこさん、当院にも飼い主さんが飼えなくなった動物が保護されています。なかなか譲渡先が見つからなくて。お友達などで理解のある方を紹介していただけると助かります。もちろん、無理しなくていいですよ。
そんな仕組みができたら 本当にいいと思います。
里親募集を見ても 高齢で一人暮らしはお断り!とか書いてあるので 子犬からでなくても 高齢になると 犬も飼えないのかな~と思うと淋しいです。
私の祖母が101歳で 岡山の山奥(*^_^*)の施設に居るのですか゛月2位で 会いに行きます。そのホームは犬を連れて入ってもいい!って言って下さるので がくを連れて行きます。
最初は 隠すように連れて入っていましたが 昔飼ってたんよ 触らせて~とか いろんな人が がくを触りに来られます。
帰りは 13歳の老犬は101歳の祖母の手押し車に乗せてもらって玄関まで出てきます。 毎回 後 何回こんな 場面が見れるのかな~(-_-)と思います。
田舎の施設だから 余りうるさく言われないのかも?
こんな 施設もたくさん増えたら 飼えなくても犬に触れ合えると思います。
がくさん、動物と接することで生きる意欲がでる方も多いと思います。がくちゃんはいい役割をしていますね!
熊五郎を迎えるときは考えました。
中型の日本犬の牡。平均寿命生きたとしたら自分が○○歳になってるだろう。その時に熊五郎が寝たきりなったりしたとき介護など出来るだろうか?我が家で飼育不可能になった時はどうしよう•••と。
もう子犬からは熊五郎が最後だと思っています。
昨日、犬友と犬の健康、管理、食事、老いについて話してました。
その話の中で「犬が好きなら子犬じゃなくても良いよね」って。
まわりでも成犬を迎えてる人も居ます。きっと「迎えますよ」って人も居ると思います。
今は無理ですが、私もその時の状態にもよるんですが相手が信用してくれるならって考えてます。
ただ愛護センター、里親ボランティアの譲渡条件とかを見ると厳しいところもあるので、実際トラブルとかも多いのかなって。
その辺りもクリアしていければ命も繋がっていくとは思います。
話の中でホメられました。
「茶豚ちゃんは最後までいい顔してたよ。顔見れば今まで飼い主がどれだけやってきたかがわかるよ。後悔もないと思うよ。」って。
凄く犬を見てる人から言われ号泣でしたが(^_^;)
姥桜さん、譲渡で一番難しいのは、先方できちんと飼って下さるかということです。私は当院に来院される方で、気心が知れたひとに譲渡できるような仕組みを作れれば、と思います。そういう仕組みを多くの動物病院に広げていけるといいかな、と。
他人事ではない話しだと思いました。
私達夫婦もまだ若いと思っていますが、人はいつ何が起こるかわからないです。
いつも、あと10年は元気でいなくてはいけないとか、ハランで最後の犬かなぁ…とか。
10年後も元気だったらまだまだですが、15年をたすと自分の事で精一杯かなぁと。
でも、犬と暮らしたいと思えば、仔犬ではなく
里親になろうかなぁと思ってたりしています。
先生の思い現実になるといいですね。
きなこさんも、言っておられますが、
私に出来ることが何かあれば微力ですが
教えてください!
何人かの協力者、ボランティアさんが力を合わせると何か形になるのではないでしょうか!
もあの母さん、そうですね、大きなシステムではなく身近な人同士で進めていくのがいいでしょうね。
そのときは、協力お願いします(^^)
先生。病院にいる仔は、犬ですか?
ピンシャーですか?
いくつの仔でしょうか?
この世の全ての動物達が、幸せでありますように・・。
切に願っています。
きなこさん、15歳の柴犬です。今度来るかもしれない子は、ミニチュア・ピンシャーです。猫も2匹いるんですよ。