はりねずみ通信
2017.04.17
介助犬のこと
恥ずかしながら、盲導犬や聴導犬などの介助犬のことを、あまり知らなかった。
ところが、実際に盲導犬が病気になって治療に携わる機会を得たり、縁あって聴導犬の健康チェックや手術を行うことになり、彼らの存在や、それを支える人々、障がい者の方の日常を知るようになった。
介助犬は、人間をサポートするために、適性を認められた上で非常に多くのトレーニングを行う。
その段階でまず、多くの人の支えが必要になる。その後、介助される方とのマッチングや、継続したフォローアップ、犬たちが病気になったとき医療施設への搬送などにも人手が必要だ。盲導犬協会や聴導犬協会の関係者の方は、ほんとうに献身的にこれらの仕事をされている。
そういった実際の取り組みを、間近でみることができること。それは、貴重な体験だと感じている。
障がい者の方にとって、彼らは欠くことのできない存在である。
日常を助けるだけでなく、社会との接点となっている。
視覚障がいがあるMさんは、盲導犬のフィットが入院中、一人で慣れ親しんだ地元の駅に降りたところ、
「数分で遭難しました」
と笑っておられた。フィットが居ないと、よく行く場所でも迷ってしまうのだそうだ。
胸を張って街を歩くことができる。その自尊心の一部も、かれらが担っているのである。
つまり、彼らはただの同伴者ではなく、心の一部といっていい。
けれど介助犬にも年齢の壁がある。
盲導犬の場合は10歳で引退するルールになっている。先日その話を聞いたときは、改めて現実を知り、わかってはいたが少しショックだった。
Mさんにとっても、フィットにとっても、離れなければならない気持ちは、どんなだろう。
私自身が、介助犬のためにできること。それを考えてみた。
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