はりねずみ通信
2015.07.28
人間という生物
人間と動物は、かなり似ている。でも、相当な隔たりがあるのも事実である。チンパンジーと人間は、遺伝子的には1%ほどの差違しかないというが、全くちがう。人間と動物を峻別する「何か」があるはずで、多くの自然科学や文化人類学、心理学などは、その「何か」を追い求める学問と言い換えてもいいのではないか。
ときどき、神様はどうして人間を犬や猫などの動物と同じように創造しなかったのか、不思議になる。
私が神様だったら、頭がよすぎて悪いことを考えてしまう人間のような生物は、創らない。
旧約聖書の創世記では、神様が創ったエバは、最初からアダムをそそのかしたり、神様に嘘をついたりする。アダムも、自分の過ちをエバのせいにしたり。
わたしは、先日ある器楽のトレーニングコースを傍聴する機会があった。
バイオリンやピアノ、チェロなどの楽器を作ったのも人間だし、たくさんの曲を作ったのも人間、それを演奏するのも人間である。もともとある才能を、磨きに磨いて音楽を作る人を目の当たりにすると、人間という生物がもつ底知れぬ力に、畏れを抱く。
いいことにも悪いことにも使える才能をもつ人間を創った神さまの計画は、人間には計れない。
でも、その「謎」は、叡智をかけて解く価値のあるものであろう。
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