はりねずみ通信
2016.02.25
上出来!
なんとなく好きな国は、イギリスである。
アメリカ人のジョークはときどきどこが面白いのか全然わからないことがあるが、イギリス人のジョークはときおり私のツボにはまる。
いつも置き時計のネジを回してから床につく習慣のひとが、これから出かけようとしたとき、たまたま置き時計のネジを回し忘れていたことに気がつく。
その人は、ネジを回したあと、いつもの習慣でパジャマに着替え、ベッドに入ってから「あ、いまから出かけるんだった」と気がつく。
こういう人間の「ダメさ」に焦点を当てたジョークが多い。
もともと人間にはあまり期待しない、という国民性があるようなのだ。
店でお金を払うとき、釣り銭がいらないようにきっちり払うと、エクセレント!とか、ラブリーとか言われる。そんなことで褒められると恥ずかしいが、うれしくもある。
この国では、人間うまくできなくて当たり前。うまくできたら、上出来なのである。
自分もそうしてみたい、とよく思うが、なかなかできない。
日本人は上出来な人が多く、できて当たり前の国である。普通のことを特段ほめると、「なにか下心があるんじゃないか?」と勘ぐられてしまう。
駅で切符を買うのも、とまどっていると後ろの人の視線が気になる。
「うまく切符が買えたね」
とほめられることは、まずない。
近年ますます人間への期待度が高まっている感もあり、ちょっと窮屈に思うこともある。
ちいさなことでも、できたら上出来。
そう思って暮らしたい。
1件のコメント
Dear かない院長先生
イギリスのジョーク、なんだかクスクスとホンワカした笑いですね。豪快に爆笑するより、心がクスクスって感じで私、大好きです♪
日本人のできて当たり前とか、何年やってるの?とか、ほんとウンザリします。同じ事をしていても、個々の
クセや物事の見方etcがあるから十人十色では?って思います。
私は昨年の秋、完治が難しい病気を発病しました。日常生活にも少しずつ、でけない事が…。凹む日々です。
凹みながらも、でける事を自分なりにやってみて、うまくでけた自分を褒めてます。最近では『でけないからお手伝いして。補佐をお願いしまーす』と主人にヘルプをお願いしております。『でけないから手を貸して下さい』この言葉を伝えた時にも自分を褒めてます。
可愛くネンネしているのは福ちゃんですか?
猫語では福ちゃんの寝姿を《ごめん寝》と言います♪
執事2号さま、「ごめん寝」はいいタイトルですね(^^)
人間はできないこと、不得意なことがあってもふつうのはずなのですが、そういうことに厳しい社会になってしまいました。
また、困惑している人をみても素通りして、あたかも「できて当たり前の人」だけで回っているような風潮もありますね。
凹むこともあるかと思いますが、勇気を持って暮らしていただきたいと思います(^^)