はりねずみ通信
2015.10.26
一緒にいる
少し寒くなったせいもあるが、動物たちが近寄ってくる。
ソファーに座ると、犬や猫たちがひざの上や傍らにくるので、こちらもじっとしていなければならない。
とはいえ、何かとすることがあるのが人間の業なので、やはり立ち上がって移動する。動物たちはひざから降りたり、ソファーから床に飛んで、しばらく所在なげにしている。
私がまた戻ってくるか、見極めているのである。
リビングのテーブルでパソコンの作業をしたり、新聞を読んだりすることが多いが、そのときにも彼らはやってくる。この時はなんとかひざに乗るときもあるが、たいていはその辺にはべっているだけである。
暖を求める、というよりは、なんとなくそばにいたい。そんな感じだ。
この「好きな人と一緒にいたい」という感覚は、哺乳動物の根幹にあるのかもしれない。(まあ、私のことが好きかどうかはわからないが、嫌ならそばに寄らないだろう)
人間にも本来ある感覚のはずだが、ときどき忘れてしまう。人と人とのつながりは、かならず何か目的化してしまう。
たとえば親しい友人と会うとき、なにもせずに一緒に景色を眺め、何時間も過ごす人はまれであろう。
映画を見たり、買い物をしたり、喫茶店でお茶を飲んだりする。どうも人間は何事も有意義にしたがる。
動物たちの場合は、全くなんの目的もないから、掛け値なしで一緒にいる幸せを感じているのだろう。
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