はりねずみ通信
2017.03.18
リハビリ中
犬の椎間板ヘルニアは非常に多く、毎日のように診察している。
人間で椎間板ヘルニアといえば、「腰が痛い病気」という印象であろう。ヒトのヘルニア好発部位は、骨盤の少し上くらい。重いものを持ち上げたあと、「痛っ」と手を当てる部位である。
ところが、犬ではもっと上の方(というか頭のほう)でヘルニアが起こる。犬を横から見ると、腰が曲がっている頂点の部分。そこでヘルニアが起こりやすい。ヒトでいうとみぞおちの高さ。
その場所は、太い脊髄神経が走っている場所である。そこでヘルニアが飛び出すと、麻痺が起こる。
ヒトの椎間板ヘルニアで歩けなくなった方の話は、あまり聞かないが、犬でよく聞くのは、そういった理由からである。
交通事故による脊髄損傷(脊損)と同じと考えてよい。
いったん痛めた脊髄神経は、再生されない。
動物により、さまざまな段階があり、手術だけでは治らない。
通常は術後にリハビリが必要だ。「手術半分、リハビリ半分」などと言われる。
いまは3頭の犬がリハビリ中である。看護師たちは相当な時間を使って、リハビリやレーザー治療などの理学療法を行っている。毎日少しずつ改善していくのをずっと見ているので、歩けるようになった喜びはとても大きく、「一番やりがいがある仕事は?」と訊くと「リハビリ」という答えが返ってくることが多い。
写真はリハビリ中の様子。
1件のコメント
こんにちは。ご無沙汰しています。パグ銀次郎の母です。先日メールでもお伝えしましたが、1/13にヘルニアの手術していただいてから、もう直ぐで2ヶ月になります。益々元気になってきました!犬にとっては歩けなくなってしまう可能性もあるヘルニア。こうして家族である銀次郎が元気になったのも先生はじめスタッフの皆さんのお陰です。リハビリは根気のいる大変な毎日だと思います。本当に頭が下がります。皆さん、お忙しい日々だと思いますが、お身体に気をつけて、これからもたくさんの家族に笑顔をもたらして下さい。
そういえば一部分だけずっと禿げていた尻尾の毛が生えてきたのですが、ヘルニアとも関係あったのでしょうか?
銀次郎かあちゃんさま、コメントありがとうございます。銀次郎ちゃんが改善しているのはとても嬉しいです。
ヘルニアがあると痛みのため体調が悪くなります。それでしっぽの毛が抜けていたのかもしれませんね。またときどき様子を教えていただけると助かります。
お元気でお過ごしくださいね!