はりねずみ通信
2015.03.12
フィラリア症1(予防)
フィラリア症は「古くてあたらしい病気」と言っていいかもしれない。
犬を飼う人はだれでも知っている病気であり、いまでは予防されていない方は減った。でも、それがゆえに病気の重要度が下がっていて、中途半端な予防になっていることが少なくない。
この辺りの事情は、人間の結核と同じであろう。
フィラリア症のことについて、「なんとなく知っている」方は多いと思うが、基本的なことを復習したい(たまにはためになる話!)
姫路近辺では、4〜5月くらいから蚊の発生がある。予防開始はいつがいいか?答えは、5月である。
「フィラリア予防」といっても、あらかじめ予防の薬を飲ませるのではない。フィラリアの幼虫を持った蚊が、犬(や猫、猫についてはまた書きたい)を吸血すると、幼虫が体内に入る。フィラリア予防薬は、この幼虫が成虫になる途中で退治する「駆虫薬」なのである。
4月から蚊が発生していても、予防薬を飲ませるのが5月でいいのはそのためである(地区により蚊の発生時期が異なる場合もあり、早めに飲ませることもあるが)。
それから毎月飲ませていき、12月まで飲ませる。理由は、蚊が11月まで発生しているからである。
この理屈を理解していると、「暖かくなったから早く予防をしよう」と早めに予防をはじめて、10月くらいを過ぎて涼しくなってきたら予防をやめてしまう、ということが間違いであることがわかるだろう。
実際、きちんと飲ませているつもりでも、感染が確認されることがある。多くは、秋以降、投薬を忘れることによる。
明日は感染の危険について。
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