はりねずみ通信
2017.05.26
ピカソになりきった男
泥棒や犯罪者が主人公の映画をみて、わくわくするのは犯罪の手口や手法が詳細に表現されているときである。
「金庫破りの名手がいて、みごとに金庫を開けました」ではおもしろくない。
金庫がどういった構造になっているのか、なぜ開けるのが難しいか。
泥棒はどうして泥棒になったのか。金庫を開ける動機は・・。
そういったディティールが描き込まれていると、のめり込むように見てしまう。
「ピカソになりきった男」(ギイ・リブ著、キノブックス)を読んだ。
これは小説ではなく、30年間にわたってピカソやシャガールなどの贋作を描き続けた本人の手記である。
描いた作家はそのほかマティス、ルノワール、ダリ、モデリアーニ、藤田嗣治など。模写を嫌い、作風をコピーして新たな作品を作ったということ、これだけ多くの作家の贋作を作ったこと。それがギイ・リブが天才と言われた理由である。
(本人曰く)いまだに気づかれずに巨匠の絵の中に紛れ、彼の作品が美術館で展示されているのだそうだ。
それだけの才能があったら、どうして自分の絵を描かないのか。
不遇の家庭環境で育ち、正規の美術教育を受けなかったのに、なぜそれほど絵がうまいのか。
作家に対する深い尊敬や共感がないとできない仕事なのに(実際彼は、ひとつの作品を仕上げるまであらゆる資料を読み、巨匠たちと同じ精神のレベルまで到達するため多くの時間を費やした)、なぜ犯罪に手を染めたのか。
その理由は、本書を読むと、これ以上ないほどに腑に落ちる。
生まれや育ち、多くの人との邂逅、奇跡のようなできごとの数々。それによって「彼」が作られた。
贋作作家である心境など、小説の名手であっても想像できないはず。これ以上リアルな物語があるだろうか。
映画の脚本に使いたいと思う人もいるだろうなー、と思い読んでいると、ジョン・トラボルタが監督して映画になったことが最後に書かれていた。やっぱり。
1件のコメント
こんばんは。
金曜日診察ありがとうございました。
お家の方も出来て新築みたいでした。
第二待合室も入りやすくスロープになっていて、駐車場も停めやすくなっていました。
第二待合室の中庭が木陰になっていてよかったです。
ハランですが日曜日は圧力鍋で蒸したササミと胸肉をスプーン3杯くらいと仔犬用の粉ミルク30CC2回、鴨のフリーズドライの肉ひとかけらしか食べませんでした。
薬が苦いのでミルクに混ぜて。
水は飲んでいます。
塁がなんでも食べれそうな缶詰めやレトルトが箱にたくさん残っていて、また
これはあれはと言う状態です(T . T)
圧力鍋で鶏肉と魚を蒸して鶏肉を少し食べてくれたので少しホッとしましたが
心配です。
食べるのも私の手のひらに置いたのをたべるので癖になってしまったら駄目なのでそれも悩み中です。
本日は当院で行われる研究会のため、私は予約が入れられない日なのですが、午後6時くらいであれば診察ができると思います。
よろしければ予約の上お越しください。