はりねずみ通信
2016.09.12
健康への近道
ハーバード大学が「ビヘイビアヘルス」という概念を立ち上げ、注目されているという。
人間が病気にならないようにするには、どうしたらよいか。
先端的な医療が紹介されると想像するが、実は「人間の生活を見直そう」という話なのであった。
2016年5月、「アメリカでは医療過誤により年間25万人が病院で死亡している」という推計が報告された。
これは心臓病、癌に続く3番目の死因である。
医療過誤とは、誤投薬、手術ミス、誤診に基づく誤治療、見落としによる治療の遅れ、医学の常識から逸脱した治療、など。さまざまな疾患に投薬される薬に対する長期依存と副作用も懸念される。
薬に頼る対症療法より、運動、食生活、禁煙、趣味や家族、友人と過ごす時間を増やす、ボランティア活動で社会とのつながりを持つなど、普段の振る舞いや生活の質を改善することが健康への近道ではないか。それがビヘイビアヘルスの骨子であるようだ。
患者の家に行き、生活の現場を見て話を聴けば、原因がわかる。
それがハーバード大学が提唱する最新の医学、とのこと。
(フォーブスジャパン2016年10月号より)
動物医療でも、獣医師の関心はどうしても病気そのものに向かいがちである。けれど、動物が健康に過ごすには、それだけでは足りないだろう。
家庭が穏やかであるか、忙しくて散歩や遊びの時間は減っていないか、新鮮なものを食べているか。
動物の生活全般に触れるためには、それなりの時間や、飼い主さんとのコミュニケーションが欠かせない。
くわえて困難な疾患の対処や、難易度の高い手術も行わなくてはならない。
生涯を捧げるにふさわしい仕事、だなあ。
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