はりねずみ通信
2015.11.27
シベリウスのバイオリン協奏曲
シベリウスという作曲家は、「フィンランディア」という曲で知っている人もいるかもしれない。知らない方でも、曲の後半に出てくる美しい旋律はどこかで耳にしたことがあるだろう。
数多くの交響曲を作ったが、なぜか後期の曲はだんだん「小さく」なってゆく。ベートーベンやマーラーなどの交響曲が長大になっていくのとは反対である。
私は学生オーケストラのとき、シベリウスの交響曲2番を演奏したことがあった。
フィンランドの自然を思わせる透明さ、遠くから音が迫ってきてまた去って行くような遠近感のある曲で、好きな曲のひとつだ。
シベリウスと言えば、この交響曲2番や1番、先ほどのフィンランディアが演奏されることが多い。これは100年前のシベリウスが活躍したときにも、そうだったらしい。彼の曲はその民族的な雰囲気から、フィンランドという国の国威掲揚のために取り上げられることも多かった。かれは、それが不満だった。
「音楽は、国や言葉を越えた普遍的なものである」
そう思って渾身の力を込めて書いた曲が、彼の「バイオリン協奏曲」だったそうだ。
実は、わたしはこの曲を最近まで聴いたことがなかった。先ほどのような事情で、シベリウスと言えば取り上げられる曲は決まっていて、触れる機会がなかったからである。
昨日、ギリシャのバイオリニスト、カヴァコスの演奏するシベリウスのバイオリン協奏曲を聴いた。
(最近ベルリンフィルのデジタルコンサートを試しに契約して、ベルリンフィルの演奏が聴き放題なのである)
これがあまりにもすごくて、言葉が出ない。
人間の中のある部分が解き放たれたような、なにか理性を超越した境地、というべきか・・。
知らなくて、人生損をした。
100年の時を経て、コタツで聴いている日本人を感動させるのであるから、かれの普遍性への憧れは達成できたに違いない。
1件のコメント
『人生 損をしてた』って思うくらいの感動は、大きいですね。
その曲を作った人も、曲を聞いて感動する心も素敵(^^)
P.S.
かげねこ。
うますぎて、笑ってしまいました♪
ルンルンさん、いつも一緒にいる2匹の猫ですが、黒いほうがうまい具合に裏に回ることは今までなかったので、
なかなかいいタイミングだったんです(^^)