はりねずみ通信
2015.09.21
ケヤキの木
動物病院の近くにあるタイコ弁当から、312号線を南方向へ行くと、左側に側道がある。そこから市川沿いに小川橋まで行くことができる。その途中の左側、市川の土手に大きなケヤキの木があった。
過去形で書くのは、その木の枝という枝が、すべて切り落とされていたからである。すべての葉がなくなれば、木は死んでしまうだろう。もしかしたら、根元から切ってしまう準備なのかもしれない。
私の記憶では、あの木は私が姫路に越してきた20年前から、すでに雄姿をたたえていた。
市川沿いのあの道を上っていくとき、まず川が見え、それから風になびくケヤキの木が見えた。まっすぐ上に伸びる幹は、堂々としていた。おそらく私が生まれる前から、そこでずっと川を見ていたのだろう。
その美しい姿が、見るも無惨なかたちになっていることに、私は動揺した。
土手にある大木なので、台風の時などに倒れて被害が出るかもしれない。そういった懸念から切られたかもしれない。でも、そうであっても、風景の一部である自然を、このように簡単に壊してしまっていいのだろうか。
さだまさしさんの歌に、こんな歌詞がある。
・・大きな桜の木は今年、公園と一緒に消えたけど
あなたの写真の中では今も、その腕をひろげて、桜の花、花、咲いてる・・
昔あこがれていた人が写っている写真を、誰かからもらった。
その女性はその写真を大切にして、辛いときの支えにしていた。そのような歌詞である(「初恋」)。
車でその場所を通り過ぎたあと、この歌が自然と口にでた。
風景は消えても、心の中に生きることもある。それはわかっているが、私には悲しいできごとだった。
2件のコメント
まめちゃん退院おめでとう
森さん、トライやるのときに手術したまめちゃん、元気に退院しましたよ!
私もこの夏頃に、毎年きれいな花を咲かせる桜の大木数本がばっさりと切られて、そのあたり一面更地になってしまいショックを受けました。
桜の季節に、スーパーに買い物に行く度にその見事な桜に見惚れていましたが一度も写真を写したことがなく、とても残念に思っています。
あれほど見事な桜を切ってしまうなんて・・・
(と、ここまで書けば先生はどこの桜かお気づきかと・・・)
Hanakoさん、その木のことを大切に思っている人がいるかどうか、調べてから・・なんてできないでしょうが、自然や景観をまもる防波堤がないと、はどめがきかないように思います。