はりねずみ通信
2018.07.16
やってみてわかる
先日の話の続き。
定年退職してからピアノをはじめたAさんは、
「ピアノを実際にやってみて、曲の奥深さ、作曲家の気持ちを、より深く理解できるようになりました」
と言われていた。
そういった感覚は、よくわかる。
私の腹腔鏡下胆嚢摘出を見学した先生が、こんなことを言った。
「今日の手術は難しいケースですか、それとも簡単ですか?」
その先生は、これから腹腔鏡をはじめようとしている方だったので、私が行っていることが実際には簡単か難しいか、よくわからないようなのだった。
これに対し、実際に一度でも手術をしたことがある人は、手技の詳細を知ろうとする。
質問もピンポイントであることが多い。
大工さんがやすやすとノコを使ったり、釘を打ったりする。
見ていると簡単そうであるが、やってみるとそうはいかない。
こういうことは世の中にたくさんある。
やったことがないのに簡単に批判したり(たとえば、野球でミスをした選手を「へただなあ」と言ってみたり)、
逆に「自分には才能がないから、できっこない」とあっさりあきらめたり。
とにかくやってみる。
できなくても、やっている人の努力や苦労は理解できるようになる。
それだけでも収穫ではないか。
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