はりねずみ通信
2015.11.23
もうひとつ
先日の記事(「最終決定」)の続きで、もう一つ書かなければならないことがあった。
動物病院の獣医師のインフォームド・コンセントには、獣医師の「病気を治したい」というバイアスがかかっている、ということ。
本来、飼い主さんには、さまざまな情報や選択肢を提示し、
「どの方法を選びますか?」
と、ニュートラルな立ち位置で選んでもらうことが理想である。治療や手術のメリットやデメリットを並列し、偏らない意見を言うことが、「医療を実施する側」のスタンスでなければならない。
ところが、獣医師は病気を治したい人種であるため、しばしば治す方向へ誘導しようとする。これはもしかすると当たり前で、否定されるものではないのかもしれない。
でも、飼い主さんは、獣医師がそういう気持ちを持っていて、そういう意味では「偏った」意見を言う可能性があることを、知っていてもよい。
私の場合であるが、自分が治すことのできる自信がある治療の時、どうもプッシュが強くなるようなのである。これは自覚していても、止めるすべがない。そのために獣医師をしているからである。
だから、飼い主さんは、「獣医師はそういう人種である」ということをちょっと客観視してみるのもよい。
そして、私が自分に命じていることは、積極的な治療や手術の有無にかかわらず、病気の動物を最後まで責任を持って診る、ということである。動物たちは「治ったら勝者で、治らなかったら敗者」ではない。
治してやれない動物ほど、深く看ていきたい、と思う。
3件のコメント
どの子も同じように看て下さるの、いつも感じてます。
先生の…ピリッと真剣なのに、優しい目と心から(^^)
P.S.
ねここたつ!!
めっちゃ可愛い(*^^*)
お腹のあたりの模様がハートですね♪(無理やり?笑)
ルンルンさん、猫コタツは上に乗っても暖かいし、中に入ってもほどよい感じなので人気なんです(^^)
みんな交代で入ってます。お腹の模様は、遠くから見るとハート、近くで見ると渦巻きなんですよ。
かない先生こんにちは。
「最終決定」の記事を見ると
避妊手術で不安になっていた頃を思い出します。
最後まで診てもらえないことがいちばん怖い私にとって、
最後まで責任を持って診るという先生の言葉は
心強く、かない先生に出会えて本当に良かったと思います。
春美ですが、アルブミンが1.9や2.0になったりで低く
今アレルギー療法食のドッグフードのみで1か月後に採血する
ことになってるのですが、手作りの時は嬉しくて飛び跳ねてたのに
今は仕方なく食べているというようで。
知人が食事中の春美を見て元気ないねと。
食欲もあり散歩も大好きなのですが
いちばん大好きな食べる楽しみを制限してかわいそうに思うのは
飼い主の甘えでしょうか。
どうしたものか考えてしまいます。
harukuruさん、お久しぶりです(^^)
蛋白漏出性腸炎を疑っての食事療法かと思います。やっぱり地元の動物病院の先生と相談しながら1ヵ月はがんばったほうがいいかもしれませんね。ただ、手作り食で対応する方法もありますので、経過によりまた相談いただければと思います。
ディーンがお世話になりました。
ヘルニア発症前にPLDDを受けるのを躊躇してしまいました。
決断とタイミング大事ですね。
過ぎてしまえば、たった一週間の間に発症し歩けなくなり入院。
PLDD後に日に日に回復し今では、走る、ソファーに飛び乗り降りを制御するのが大変なくらいです~
診察時には、なかなか聞きたいことも聞けずでしたが面会に行かせてもらった時に先生を始めスタッフの皆さん良い笑顔で話されるので帰りは安心な気分で帰れました。
椎間板ヘルニアから脊髄軟化症、知らない病気を知るきっかけにもなりました。感情のコントロールが出来ず心が追いつかないくらいのディーンの回復力にびっくりでした。
かない動物病院さんに出会えて良かったです。
ありがとうございました。
これからもディーンの犬生の間よろしくお願いします。
レオンさん、ディーンちゃんが元気でよかったです。今回はハンセン1型ヘルニアでしたが、ヘルニアの突出状態からPLDDのみで治療できると判断しました。いろいろ心配されたかと思いますが、レオンさんの決断された勇気と、頑張ったディーンちゃんを称えたいと思います。
これからもディーンちゃんが元気で過ごせるように、できるだけしたいと思います。