はりねずみ通信
2020.01.17
たちむかう
ある人と話をしていて、小学校のときのエピソードを思い出した。
放課後の校庭、私は追い詰められていた。
背後は校庭のフェンス。少し離れたところから、腕力の強い子が私に向かってドッチボールを投げようとしている。
「天下(てんか)」は、ドッチボールのコートがないような遊びである。
ボールが当たったら負け。最後まで残った人が天下、なのだ。
剛速球が投げられた。
いつも逃げ回っていた私は、このときは意を決してボールを胸で受け止めた。
周りの子どもたちは、どよめいていた。私がボールをとれるとは思っていなかったからだ。
私は受けたボールを投げ返す。相手もまた、それをキャッチした。その球は、また私に投げられた。
また、私はそれをしっかりと受け、また投げ返す。
そのあとは覚えていない。
私は勝ったのか・・。
とにかく、そのときにものすごい自信が胸にわき上がったことは覚えている。
どちらかというとスポーツが苦手だった私は、中学に入ったらバスケットボール部に入った。
それは、このときの自信に導かれたのだと思う。
一生懸命練習し、3年の時にキャプテンになった。
いまでも、難しいことに出会ったときには、一人で考え立ち向かっていこうとする「癖」がある。
誰かの力を借りればいいのに、そうしないのはよくない。それは知っている。
けれどそういう行動形態は、子どもの頃に培われたかもしれず、変えられないのだ。
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