はりねずみ通信
2015.05.13
すべて賭ける
パーボ・ヤルビーという指揮者が、このたびNHK放送交響楽団の常任指揮者になったので、とても楽しみにしている。
音楽の持つ躍動感を体現した指揮者、というイメージ。彼が指揮を勤めるようになってから、N響の音は明らかに変化している。楽団に命を与えた、というと大げさだろうか。
N響アワーで彼のインタビューがあり、興味深かった。
20歳の頃、アメリカでバーンスタインが指揮を指導するクラスに参加して、大きな影響を受けたそうである。
バーンスタインは、体は小さいが、そこにいるだれよりも大きく見えるような強烈なオーラを放っている人だった、とのこと。
そのクラスで、「音楽にはすべてを賭ける価値がある」という啓示を受けた。
若い人には、このためにならすべて捧げてもいい、というものを見つける瞬間がある。このときは、まさにそうだったようだ。
すべて賭けると腹をくくった人のエネルギーは、すさまじいものである。
私はインタビューの内容にも感銘を受けたが、なによりパーボ・ヤルビーの身体から発する「気」のようなものに圧倒された。
私もそういうエネルギーを持って、この仕事をしていきたいとあらためて思ったのだった。
・・でも、ときどき空回りする。
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