はりねずみ通信
2015.09.01
あきらめるかどうか
若い人が、「自分には無理だ」と簡単にあきらめるケースに何回か出会った。
それを責めるつもりはない。現状に限界が見えたら、ほかの方向を模索するのはかしこい方法である。
私自身も、鉄の意志でここまでやってきたわけではなく、むしろ自然な流れに身を任せた、というほうが当たっている。だから、「あきらめずに邁進しろ」とは言えない。
私がやめなかったのは、情報が少なかったからかもしれない。
勤務医の時、動物病院での獣医師の仕事が向いていない、と真剣に考えたことがあったが、見回してもほかに進む道などない。結局やめずに(やめられずに)続けているうち、自分の中の小さな才能に気付いたり、仕事を愛する気持ちが芽生えてきた。
現代では情報が多く、なんでも合理的に進めることができる。将来を見越すことが、簡単にできてしまう。
失敗したり、時間がかかったりすることは、無駄に見えることが多いだろう。
そんな現代で、あきらめない心を持つことは難しいかもしれない。
いったん情報を捨てる。ばかになって一(いち)から考える。それが処方箋かと思うが、どうだろう。
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