はりねずみ通信

診察室で

いつも明るいAさんは、動物たちと楽しく暮らしている。
Aさんが診察室で話す動物たちとの生活ぶりは、動物アニメではないかと思うくらい。

ごく普通に猫や犬たちに話しかけ、彼らもそれに答える。
「ご飯食べないから、どうしたかと聞くと、乗せているトッピングが気に入らないっていう。お店に買いに行かされた」
「寝ているのを起こしたら、不機嫌で、そのあと口をきいてくれなくなった」
というような彼らとの日々のやりとりをきていると、人間語で会話しているような幻想の世界へ誘(いざな)われる。

猫のBちゃんは、もうだいぶ高齢だが、最近口腔内に腫瘍ができた。
自分で食事がとれなくなったので、Aさんが流動食を口から入れてやっている。
そのやりとりも漫画のようである。
「流動食をいれると飲み込まないときがあるんで、工夫しました!」
シリンジの中にいつもの流動食と、おいしい味のチュールを交互に入れる。
「おいしいのが入ってくると、お!と言って飲み込むんです。また普通のが入ってくると?という顔して。けっこうだまされます(笑)」

そういう話を聞いていると、こちらも引き込まれるように笑顔になる。
ところが、そんな明るいAさんが、先日ふとこう言った。
「いつかは死んでしまうかと思うと悲しくて、陰で泣いています。でも、そういう顔はみられたくなくて」
そのときAさんが顔を曇らせたのはほんの一瞬で、またすぐいつもの元気な表情に戻った。

私ができることは、動物たちの病気をコントロールするために医学的知識を提供することや、栄養を満たす方法を考えること、疼痛を減らす薬剤を選ぶこと、などである。

けれど、診察はそれだけではない。
病気の動物を支える家族がどれほどたいへんか。語られなくても、想像力をもって寄り添わなければならない。

かえすがえす、聞くことの難しさを思う。




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かち

 

「診察室で」への4件のフィードバック

  1. こんばんは(*^^*)
    先生に教えていただいてからお粥にしたのですが、とても気に入ったらしく、お腹が大丈夫な時もお粥が食べやすいそうです。
    しかーし、、
    お腹が大丈夫な時は、白粥は食べません…
    今日、うっかりササミを入れるのを忘れ、芋粥をだしたら、お口が開かない(>_<)
    「あーーー!忘れてた!ごめんごめん!」と謝って?足して作り直したらパクパクパク…
    「暑さでボーっとしてんじゃないわよっ」って言われました( ;∀;) 笑
    私も普通に会話してますね(一人二役?笑)

  2. 今日も、ありがとうございました。
    帰った後、麻酔後でボーっと&後ろ足がふらつきながら、食欲だけは立派なモチオ。ウンチが下痢でトイレが頻繁。大丈夫?と心の中で不安。モチオの前では、大丈夫明日には、治ってるでと言ってる私ですが、明日に先生に聞こうか迷う私。
    今日の検査まで、不安で、治療するために検査してるのに、マイナスな事ばかり考える私に渇を入れてくれる人が…。
    親がしっかりせい。動物は、飼い主の気持ちを察するから。可哀想やからとかそういう気持ちとかダメやと。何でもなったときから考えろと。その前から右往左往してるどうすると(^_^;)検査してくれる先生がおるやないかと。
    本当にそうです。リスペクトしてる先生がいる。
    病院に着くまで、何度も自分に渇。

    人(動物も)を笑顔にするためには、自分が強くなる以外に道はなしと。(受け売り)
    強くなるために、日々勉強ですが、弱い自分の殻を破らなければ…ムズカシイ(^_^;)

    1. もちおさん、昨日は検査おつかれさまでした。
      心配なことがあったら、いつでも連絡くださいね。
      今飲んでいる薬で下痢になることがあります。続くようなら薬を変更したり、下痢止めを処方しますよ。

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