はりねずみ通信

2017.05.20

PLDD

PLDD(経皮的レーザー椎間板除圧術)は万能の治療ではなく、椎間板ヘルニア治療のひとつの選択肢である。
他にもさまざまな外科的治療法があり、椎間板ヘルニアのタイプや突出程度・箇所などにより最善の方法はなにか、いつも十分に検討するようにしている。

けれど、現在の治療法の中で、PLDDにしか治療できない病状もある。(・・というと言いすぎかもしれない。PLDDが最も有利なと言える病態、が正しいかも)
それは、頸部と腰部に同時に起こるハンセン2型多発性ヘルニアである。

複数の椎間板を同時に治療でき、侵襲が少ないことが大きなメリットとなる。もしこれを外科的摘出で対応しようとすると、首にも腰にも広範囲に「骨を削る」必要があり、動物への負担は増し、回復までの時間は長くかかってしまうと考えられる。

紹介するケースは、9歳ポメラニアン、頸部の多発性椎間板ヘルニアという診断(MRI)で紹介された。
今年の初めから進行性に麻痺があり、来院時はかろうじて歩行が可能な状態だった。
追加検査(脊髄造影検査)では、腰にも多発性ヘルニアが認められた。

萱沼クルミMRI
頸部MRI

萱沼くるみ脊髄造影
腰部脊髄造影(DSA)

頸部PLDD
頸部PLDD

腰部PLDD
腰部PLDD


術前


術後2ヶ月

 

 

0件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最近のコメント

2023年
2020年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年