はりねずみ通信

2016.01.19

獣医師の情報発信

人の内視鏡外科学会に参加したとき、学会の企画で行われていた結紮・縫合コンテストに参加した。私が獣医師だというと、周りの人は皆、
「動物でも腹腔鏡手術するんですか?」
と驚いていた。
腹腔鏡で折り鶴を折り技能を高める「神チャレ」を運営している医師も、私がはじめて投稿したとき、
「動物の世界にも腹腔鏡があるんですね」
と本当に驚かれていた。

私たち獣医師は、医学の情報をいつも気にしているので、医学と獣医学は密接な関係にあるとなんとなく思っていたが、医師は獣医師のことをあまり知らないようである。
ちょっとアピールが足りなかった。そう、思った。

人間より体が小さい動物を対象にするので、動物の腹腔鏡外科はさまざまな制約がある。
いまは、そこをひとつひとつ解決していく過程だが(道具の開発、トレーニング方法など)、そういった努力は医学にも還元できると思う。たとえば、小児外科などに。
共に進んでいくためには、獣医師の情報発信も必要であろう。

逆に私もあまり知らなかったことがある。
獣医麻酔外科学会に参加すると、牛や馬などの大動物にも腹腔鏡が取り入れられているのだ。
同じ獣医師なので、噂は聞いていたが、学会で実際の画像などを見るとすごい迫力・・。
大型の鉗子などを用いるが、把持力が少ないため、腕を体内に入れ臓器を牽引したりする。
それでも大型動物の体格にしては傷が小さく、動物への負担は相当少ないようだ。が、獣医師は肉体的にも相当な苦労を強いられる。

「小さいからいろいろ大変で」とは言えなくなった。

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ほとけがお

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