はりねずみ通信

2015.05.21

情報を開くこと

先日のセミナーでちょっとショックだったのは、日本は先進国9カ国の中でもっとも生産性が低い、という事実である。
もっとも、これは最近の話で、過去には生産性は高かった。
それは戦後、工業製品などで世界を席巻した時代の話だ。現在のサービス業を中心とするようなオフィスワークの効率は、極めて悪いという。

仕事で帰宅が遅くなっても、それは「頑張っている証」というような風潮がある。そのため、効率的に仕事をする取り組みが遅れてきた。
効率が悪いひとつの原因としては、すべて自前で行う、という習慣があるからだそうだ。
欧米ではオーダーメードでシステムを作る文化がなく、もともとあるものを使ってシステムを構築しようとする(これはIT関連の話であるが)。誰かが作ったものを利用できないか。そう考える風習があるというのだ。

日本では、たとえば隣のデスクで仕事をしてる人が、何らかの報告書を作っているとする。
実はそれは自分が以前に作った報告書とほとんど同じであるが、その人はそれを知らずに、自分で一から作っている。
そういう無駄が多いとのこと。

同じ構造は医学分野にもあるだろう。
過去に経験した事例と同じような症例を、過去の経験値を活かせずに治療する。
以前故障させてしまった器具を、同じ間違いでまた壊してしまう。
どの施設にも高額な医療機器を揃えてしまう。(共同で使う仕組みがあれば、コストは下げられる)
誰かが調べた文献や、まとめたデータを利用せず、一から調べはじめる。

こういったことは、情報が閉鎖しているので起こるのではないか。
だれもが自由に情報へアクセスでき、他人のしている仕事の途中経過を盗み見ることさえもできたら、人間の想像力が連鎖し、スゴイことができる・・。

ちょっと漠然としているので、わかりにくいかもしれない。
私の中では、自分が行ってきたこと、これから行おうとすることに、かなり迫ってくる話なのである。

 

IMG_6555
ベランダの木の実を食べに来たヒヨドリ
これはおいしいらしく、人気である

 

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