はりねずみ通信

2018.01.22

医学の歴史

先日本屋さんでおもしろい本を見つけた。「医者も知りたい面白医学英語事典」(木村専太郎著)である。
米国で長年医師として働いていた経験と、豊かな教養に基づき、医学に関係する英単語を解説している。
分厚い本だが、寝る前に「えいっ」と適当にページを開き、開いた場所を読んでいる。

医学の歴史はギリシャ時代にさかのぼるが、近代医学というと、この100年から150年というところ。
「L」のページ、リスターはイギリスの無名の外科医だった。
当時パスツールが、さまざまな病気は細菌が引き起こすことを発見していたが、リスターはこの概念を利用し消毒法を考え出した。
当時は外科手術に消毒が必要とは考えられておらず、骨が見えるような骨折(開放骨折)は感染するのが当然といわれていた。

リスターはフェノールという物質を利用し消毒法を考案。馬車にひかれ下腿骨開放骨折を起こした少年の手術をして成功した。
当時は下腿骨開放骨折は、断脚術を余儀なくされていたという。1865年のことだった。

つまり、私が生まれるたった100年前には、消毒法も確立していなかったのである。
それを思うと、この100年でいかに医学が進んだかわかる(今世紀に生まれてよかった、と思う)。

私が学生の頃には、腹腔鏡の「ふ」の字も聞いたことがなかった。
(まして動物でこんな手術法が行われることを予見した人は一人もいなかったはず)
いまやiPS細胞を用いて、みずからの臓器を再生できる可能性も見えてきた。

100年とはいわず、もう30年ほど生きることができれば、どんな医学の姿を見ることができるのだろう。

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さいた!

 

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