はりねずみ通信
2015.07.01
祖父が残したもの
私はもともと、自分の手の届くことがきちんとできればそれで満足なので、動物病院を大きくしていこうという気持ちはなかったし、今もない。
ただ、ここに至るまでにいくつかの転機があったことは、間違いない。
それは、この「場所」に関わっている。
ちょうど10年前に、動物病院の裏の土地が空いたことが、その転機だった。
もともとこの一帯は、祖父が鋳物工場を営んでいた跡地である。裏の場所は、他の人が鉄工所をしていたが、廃業することになり、その場所を使うことができるようになったのである。
腹腔鏡やPLDDなどの治療を模索していた頃で、スペースが必要な時期だった。あとから考えると、見事なタイミングで「場所」ができた。
それから10年が過ぎ、手術件数が多くなってきたため、今の手術室では回らなくなってきた。
そこへ、ちょうど今年に入ってから東側の土地が空くという。
いろいろ書くと長くなるので省略するが、その時期が正確に的を射たようで、奇遇に驚いている。
いまは祖父がチャンスを与えてくれたのか、と思っている。
ならば、懸命にやるしかない。
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