はりねずみ通信

2016.05.18

勇気を出して

スタッフと仕事の話をしているとき、彼らの中になんらかの劣等感があり、
「自分にはできない」
という、あきらめを感じることがある。
自分はこういう性格だから、不器用だから、対人関係が苦手だから・・。
そういうふうに思い込んでいる。

アドラーの心理学を学んでいると、目的論と原因論という概念が最初に出てくる。
「現在の自分がこうであることは、過去にこんなことがあったからだ」
という考えは、原因論とよばれる。これはごく普通の考え方で、現在の問題点は過去から導き出されると考えるのは、あたりまえ、ともいえる。過去のトラウマが、今の苦しさを生み出していると考えるのは容易(たやす)い。
「自分にはできない」というとき、こんなふうに育ったから、と考えるのが原因論である。

これに対し、アドラーはトラウマを完全に否定し、現在の問題点(たとえば対人関係が苦手、など)は、その人がそう考える「目的」がある、と考える。

こんな例えがある。
赤面症の女性がいる。
「私は赤面症なので、彼に告白できない。これが治れば、彼に自分の気持ちを伝えられるのに!」
原因論では、彼女には過去に何か赤面症を起こす理由があったのだろう、と考える。
アドラーの目的論では、
「彼女の赤面症は、彼女自身が作り出している」
というのである。(これは、驚くような考え方ではないか)
彼女は、もし赤面症が治って彼に告白できたら、振られるかもしれない。だから、自分を傷つけないために赤面症を起こしている。そう考えるのである。

先ほどの自信のないスタッフのことを考えると、「自分はこういう人間だから」と自らにレッテルを貼るのは、一歩前に進んで自分でトライしたとき失敗するのが怖いから、「できない自分」を作り出して自分を守っている、と捉える。それが目的論だ。
昔友だちにばかにされた、とか、親がいつも叱ってばかりで自分に自信が持てなくなった、というように、過去に原因を求める原因論を、アドラーは一切否定した。

だから私が手助けできるとすれば、できない自分を作り出しているのは自分自身であることに気付いてもらい、彼らに一歩進む勇気を与えることである(もちろん、こういうことは自分の課題でもある)。

大丈夫!自分はいつでも変えることができるんだよ。

IMG_8200
きもちよすぎてこえがでる

 

1件のコメント

  • おはようございます!
    今日の内容も、とても参考になりました・・・(*^▽^*)

    以前の、「人は石垣 人は城」もブログで読んで以来、ずっと頭の中において職場のスタッフと接するようにしています。。。

    爽やかな好季節・・・ネコちゃん達も、のびのびしてますね!

    • Hanakoさん、いつも読んでくださりありがとうございます。
      いいことを書くわりには、ちゃんと実践できているか自信はありませんが・・。日々精進したいです。
      いまは窓を開けても快適な、いい季節ですね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最近のコメント

2023年
2020年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年