はりねずみ通信
2017.03.10
初心
初心忘るべからず、というが、初心とはなんだろう。
動物看護士の専門学校に通っているYさんが、当院へ実習に来ている。
「まず動物病院へ就職し、経験を積んだら動物保護施設で働きたい」
とのこと。
正直に言うと、動物病院の看護師を、ステップアップの土台にしてほしくない。最初はそう思った。
けれど、聞いてみると、身寄りのない動物の譲渡をたくさん成功させてきた実績の持ち主なのである。
実習生が来ると、他の看護師も初心を思い出すようなので、現在働いている動物看護士にきいてみた。
「働き始める前と、働き始めたあとでは、どう印象が変わった?」
すると、こんな答えが返ってきた。
「最初は動物がかわいいだけで動物病院で働きたいと思っていました。でも、働き始めてから毎日生死に関わる場面が多いので、自分は甘かったのだと知りました」
私自身も、大学を卒業するときに就職先を決めた理由は、その施設が犬や猫だけでなく、牛や豚なども往診で診察していたからである。当時、私は小動物臨床に進むか、大動物へ進むか決めかねていた。
看護師たちは、最初は甘い考えで入ってきたが、いまは厳しい中にも少しでも自分の力を発揮しようと努力している。私も、どんな獣医師を目指すか皆目わからずにこの世界へ飛び込んだ(正直、小動物の低侵襲医療にこれほど打ち込むことになるとは想像もしなかった)。
そして、働くうちに自分の考えが明確になっていき、「するべきこと」がフォーカスされていく。
一般には「初心が大切」というが(もちろんそういう側面も大事だと思う)、志(こころざし)は日々変わっていくものだ。
そういう意味では、実習生のYさんは柔軟な気持ちでこの世界に入ってほしいと思う。
まず飛び込んで、わからないなりにやってみる。そして自分の感性で、するべきことに焦点を当てていけばよい。
初心が変わることだってあるかもしれない。
1件のコメント
先生、こんにちは。
東日本の震災から6年目、命の尊さ、儚さを改めて今日はすごく考えてます。
動物の命の現場に懸命に携わっていこうと志を持たれること、尊敬しかないです。
今、3匹の犬と生活してますが、たまに、大変!って思う自分が恥ずかしくなります。
あっ、先生、
香村(こうそんって読むんですね、こうむらって思ってました)金剛水、ほんまに美味しいですね。
毒素だらけの私の身体も改善されそうな金剛水。
先生は毎日どれくらい飲まれるんですか?
加熱せずそのままの方が良いのでしょうか?
さくらさん、金剛水は加熱せずに飲むようにしてくださいね。私はそんなにたくさん飲んでこなかったのですが、最近できるだけたくさん飲むようにしています。
1日1本が理想ですが、なかなか^_^;元気に過ごされることをお祈りしています!