はりねずみ通信
2015.07.24
お焦げご飯
私が大学に入り下宿することになったとき、母は私にアルミの深鍋を持たせた。
野菜をゆでたり、シチューやカレーを作ったりするのに便利で、いまだに使っている。パスタをゆでるのにもいい。
でも、もっとも使用頻度が高いのは「炊飯」である。
以前は炊飯器でご飯を炊いていたが、いまはこの深鍋で炊いている。
米をとぎ、手のひらを米の上に置いて指の第2関節あたりまで水を入れる。たいていは、前日の夜に仕掛けておく。
そして朝、強火で炊く。
沸騰すると、鍋のアルミの蓋がカタカタと鳴る。蒸気が立ち、縁から米の泡が鍋の側面に伝うと、火を弱火にする。
蓋のコトコトいう音を聞きながら、味噌汁の具を刻んだり、魚を焼いたりする。
いつコンロの火を消すかは、全く「適当」である。そろそろかな、と思ったところで止めるようにしている。
すると、炊きあがりが日によって違う。
硬めになって、鍋の底や縁にお焦げができるときもあるし、おかゆのようにやわらかく炊けるときもある。
それが楽しい感じがして、あえてタイマーなどはかけないのである。
先日はうっかりしていて、強火のまま長時間炊いてしまった。
もう弱火にしていると思い込んでいたのだ。しばらくすると、なんとなく香ばしい香りがする。ところが、弱火にしていると思い込んでいるので、「今日はいつもよりいい匂いだな」くらいの気持ちで、他のことをしていた。
あ、と気がついたら遅かった。鍋の底は真っ黒である。
それでも、無事な場所もあり、食べるところは残っていた。
ご飯は水気を失い、焦げの匂いも強い。キャンプの時の飯ごう炊さんを思い出す。
たべてみると、これがなかなかおいしい。
何度もかみしめないと飲み込めないが、じわっと味が出て、なかなかのものである。
・・単なる負け惜しみ?
1件のコメント
先生おはようございます(^^)
以前は実家でもお鍋でご飯を炊いていました。父がジャーのご飯を嫌がったので。
「始めチョロチョロ中パッパ」ですよね。
フタにフンワリと膜が張るのをめくって食べていました。
オコゲも美味しいですよね、真っ黒になっちゃうとちょっと大変かもですが・・(^_^.)
今は炊飯ジャーが良くなって、いつのまにか止めちゃったみたいですけど。
母が年を取り、ジャーでご飯を炊くのさえ父任せになっているようですが、その頃の母はマメで元気だったなあ・・と先生のコラムを読んで懐かしく思い出しました。
usagi158さん、今は電子ジャーもよくなっているんでしょうね。
ご飯を炊く、という日常には、いろいろな思い出がありますね。